大阪鍛工は、三菱や日産、ヤマハに車載スパナをOEM供給していますが、新たに大阪鍛工製の"GIANT"スパナを見つけました。

最初は1960年代に100社あった言われる二輪車の中にGIANT号なるモペットがあったのではないかと考えたのですが、モペットに"GIANT"は無さそう。

愛知機械工業が"コニー360"という軽四輪を出していたのは知っていたのですが、その最初の3年間だけは"ヂャイアント・コニー"という名称だったことは知りませんでした。

さらに、戦後直後(1947年)から”ヂャイアント"そのもの名前で1,000ccクラスの三輪商用車(オート三輪)を愛知機械が出していたなんて全く知りませんでした。

大阪鍛工は1960年前後に三菱に同じような形状の車載スパナを提供していたことも併せて考えると、今回見つけた"GIANT"は愛知機械/ヂャイアント(ならびにヂャイアント・コニー)向けのOEMスパナと特定して良いと思います。

※登録されている車名は""ヂャイアント"とカタカナですが、エンブレムやエンジンには英語で"GIANT"と表示されています。

 

見つけたのはスパナ1本だけなのですが、情報量が多くなるため、個別ブログとしました。

別途、『大阪鍛工のすべて』と『自動車用スパナ3/6 その他編』に簡易版を追加します。

 

1.商品

・表面にブランド名として"GIANT"。

・裏面にJISマーク、"H"(強力級)、"O-G"(製造記号?)、 (大阪鍛工の製造者記号)

・JIS商品に表示が義務づけられている製造者記号より大阪鍛工製と分かります。

・表裏共に凹丸パネル。

・三菱向けは表面のみが凹丸パネルで裏面はフラットなのですが、この"GIANT"は表も裏も凹丸パネルであり、"GIANT"向けの専用ボディーになります。

 

・クロモリ製もあります。(SNCM…ニッケルクロームモリブデン鋼)

 

2.車両情報

1) 1,000cc級 三輪車(オート三輪)

・1947年~1960年 ⇒ Wiki

・AA26(1959年)

↑AA26車両外観

  

↑フロントエンブレム(Giant)

↓エンジン/AE25型の刻印(GIANT)⇒ このロゴがスパナに

・AA24T(1957年)のカタログ

・カタログにも"GIANT"の表示。

 

2)軽自動車

・ヂャイアント・コニー(三輪と四輪)⇒ Wiki

 

・三輪…1959年~1962年、四輪…1960年~1962年

・1962年からはヂャイアントが抜けて、コニーだけに。

・ヂャイアント・コニーではエンブレムやカタログに"GIANT"の英語表示は見つかりませんでした。

・コニーが主要名称なので、"GIANT"スパナは車載されていなかったかもしれません?


★愛知工業車両のレストア紹介サイト ⇒ こちら

★同サイトに掲載のヂャイアント・カタログ ⇒ こちら

 

3) 商標

 

↑2つ共に1959年『日本商標大辞典』より

 

↓1938年『全国工場通覧』初代GIANTの開発会社

 

4) 三菱自動車向けスパナとの比較

・三菱自動車のシルバーピジョン・スクーター、または新三菱重工業の軽オート三輪LEO(1959年~1962年)の車載スパナ。

・同じ大阪鍛工製で、愛知機械版と比べると、基本的には同一形状ながら、表面の凹丸パネルが短い、裏面がフラット。

 

5) 他のGIANTの可能性

"GIANT"で一番ポピュラーなブランド名は、台湾の自転車メーカー"GIANT"だと思います。

自転車でもスパナは使いますので、当初は自転車"GIANT"の可能性も考えました。

但し、以下の3点より自転車"GIANT"では無いと判断しています。

・自転車の主要サイズは10、14、15mmであることから、自転車用で14x17mmスパナは見ません。

・自転車"GIANT"のロゴは斜め文字ですが、入手したスパナは直立文字。

・自転車"GIANT"の創業は1972年ですが、当初は部品メーカーであり、完成自転車の販売を開始するするのはもう少し後の話になることから、スパナとは年代が異なります。

 

【参考】

★愛知機械ヂャイアントAA26の車両スペック

 

★愛知機械車両の年譜

愛知機械が作っていた自動車の全体像が良く分かります。

※コニー復元クラブサイトより借用

 

 

この回、終わり