KTC-31 / 異形2種

75度オフセット・コンビレンチと板スパナ

 

1.75度オフセット・コンビレンチ

・75度ディープオフセットのメガネレンチ片側をスパナに変更した異形コンビレンチです。

・通常コンビレンチはスパナ部とメガネ部が同一サイズですが、メガネレンチと同じように左右でサイズが異なり、スパナ部12mmとメガネ部14mmになっています。

・75度と深いオフセットのメガネレンチ自体が、カタログモデルにはありませんので、非常に珍しいコンビレンチです。

・KTCに確認しましたが、カタログモデルでは無く、かつ製造記録も残っていないため、何用として生産されたかは不明とのことでした。

・ただし、KTC『ものづくり技術館』が開館する2003年より前に、現在の『あすのものづくり棟』2階にあった会議室に展示されていたとのこと。(KTC内でも珍しいモデルだったようです)

・生産時期は、1987年8月以前と特定できるとのことです。(製造記号から??)

・同種の異形コンビレンチがディーゼルエンジンのグロープラグ脱着用にトヨタ向けOEMとして存在しますので、同じ目的なのかもしれないとのことでした。

・ただし、トヨタ向けでは無く、KTC自身のブランドであること、さらに12x14とサイズも異形であることから、別の特別な用途があった可能性の方が高いのでは無いかと私は推測しています。

・いずれにしても、KTCの謎のコンビレンチです。

 

・私が30年以上愛用している45度オフセットのメガネレンチ(同じ12x14)との比較です。

 

・ディーゼルエンジン用グロープラグ脱着用の同種トヨタ向け異形コンビレンチとの比較です。

・トヨタ向けは左右共に17mmで同一サイズ、さらにオフセットは45度ですので、形状は似ているとも言えますが、異なる発想と目的で作られているのではないかと推察します。

・ちなみに、トヨタ向けは、アメリカ向けランドクルーザー/FJ40用(1972年4月~1973年6月頃)用に生産されたとのことで、国内トヨタディーラーの専用工具としても出回っていました。

 

・トヨタ向けの方ですが、左からアメリカ輸出用(裏に"JAPAN"刻印)と国内ディーラー向けのカタカナ"トヨタ"ロゴの有り無し2種。(国内ディーラー向けには"JAPAN"刻印無し)

・アメリカ輸出用の10桁表示はスパナのトヨタ品番で、裏に"TOYOTA MOTOR"と"JAPAN"の表示。

 

2.板スパナ

・プレス打ち抜きの板スパナです。

・小サイズで、8x9mm。

・厚みは2.6mmで、打ち抜きスパナとしては標準的な厚みです。

・『KTCが板スパナを作るのかな?』とも思ったのですが、楕円KTCのロゴはKTCそのものですので、KTC製は間違いなさそうです。

・これもKTCに確認しましたが、カタログモデルでは無く、また生産記録も残っていないとのことで、何用なのかは不明とのことでした。

・異形コンビレンチは現物がKTC内にあったことが分かっていますが、この板スパナは見たことのある人は誰もいないとのことで、さらに謎のKTCです。

・ホンダカブ用では無いかとの意見もあったようですが、先が曲がっていないとカブには使えないとのことでした。

・いずれにしても、薄いことに意味があるのかと思います。

・OEM用であれば、OEM先のブランド名が刻印されているはずで、KTCロゴだけです。

・KTCロゴが上にオフセットして刻印されていることに意味があるような気もしますが、ずれただけなのかもしれません。

・購入後に組み立てが発生するKTC製品に付随させたスパナなのかと当初は考えたのですが、そのようなスパナは無いようです。

・楕円KTCは1954年に商標登録されていますが、実際に使われ始めたのは1960年代ですので、この製品も1960年代または70年代あたりなのかと推察します。

 

以上、KTC異形2種でした。

どちらも、青森での発掘です。

 

この回、終わり