NETSUREN/三木ネツレンと、

凸丸型パネルの全て

 

80ある日本ブランドで1種類しかモデルが無いためにまだ紹介していないブランドがいくつか残っていますが、その中からNETSUREN/三木ネツレンを取り上げます。

コンビレンチが1種類しかありませんので、これを機会に以前からまとめようと思っていた日本ブランドの凸丸型パネル全23種類を一括掲載します。

凸丸形パネルは、初期の日本のコンビレンチの代表的な形状でした。

 

 1.NETSUREN 

三木ネツレンは非常に歴史の古い会社で、1870年(明治3年)に材木会社"吉丘衛三木"としてカンナとノコギリの生産したのが始まりです。(今年2020年は150周年)

戦後すぐの1947年にスパナ専業メーカーに転換した後、1967年に三木ネツレンに社名変更し、現在は工業用スパナと大型クランプの専門メーカーとなっています。

 

 ① NETSUREN 

コンビレンチとしてはこの1種類のみが販売されていました。

製造記号等の刻印が一切無いため、モデルからは製造年等の情報が得られません。

既に販売が終了しカタログに掲載されていないため、詳細は不明ですが、過去のWebが保存されているアーカイブサイトで確認する限りでは、一番古い記録である1997年には既にカタログに掲載されていて、かつ2007年12月が最後の掲載で、2008年以降はカタログから消えています。

恐らく1990年頃から販売されていたのでは無いかと推察します。

 

三木ネツレンは工業用スパナやメガネを主要商品としている一方で、コンビレンチは特殊性の無い汎用品ですので、NETSURENの商品群とは少し異なる分野です。

ただし、形状や各部寸法で見ていくと、他の凸丸パネルとは異なる製品になっていますので、このページに出てくる凸丸パネルのOEMで無いことだけは確かです。

三木ネツレンには鍛造と熱処理工程を有する製造工場がありますので、工業用スパナやメガネと同様にコンビレンチも自社製造していたと考えるのが素直だと思います。

でも、NETSURENの商品群と見比べると、共通性が無く、生まれが違うような気がしてなりません。

勘の域を出ませんが、50:50の確率でこのページには登場しない燕三条あたりのメーカーのOEMのような気がします。

 

1990年代の同様形状5モデルの寸法比較です。(寸法記号5部位はJIS規格より)

NETSURENモデルを13mmしか入手していないため、全て13mmでの比較です。

5モデルの各寸法は若干ながらそれぞれ異なっていますので、全てが別モデルであることが分かります。

 

 

 

現在の三木ネツレン・カタログに掲載されている工業用スパナ群。

 

現在の三木ネツレンWebサイト

 

 2.凸丸型パネルの全て 

1) 鍛造オフセット/製造メーカー・オリジナル

ボックス部が鍛造オフセットになっている凸丸型パネルモデルの中で、製造メーカーのオリジナルはネツレン以外に5種類あります。

その内、NETSURENと同時代の1980、90年代のモデルは4種類(②~⑤)になります。(上表の寸法測定モデル)

 

 ② ASAHI 

1994年~現在。

 

 ③ BEST 第2世代 

1977年~1983年。

 

 ④ IKEDA 

1973年~現在。

 

 ⑤ TOUGH 

1990年頃~2000年前後。

 

メガネ部の鍛造オフセット形状の比較で、上側から①~⑤の順になっています。

ぱっと見は同じですが、良く見ていくと微妙に鍛造型の形状が異なっているのが分かります。

 

 ⑥ BEST 第1世代 

BEST第1世代(1965年~1975年)で、北日本鍛造製です。

同時代のモデルがメガネ部のオフセットをプレス曲げで対応している中で、早くから鍛造オフセットを採用していました。

 

冒頭に書いたように凸丸パネルについて全体像をまとめたいと以前から思っていましたが、まとめ作業を行うと必ず新たなことが分かるものです。

今回は、TONEについて色々見えてきました。

TONEは、スパナに関して立上り時は自社製であることの色々な情報が公になっています。

一方で、コンビレンチに関してはどこが作っているのかの製造情報が全く無く、最初の第1世代から自社製では無い可能性があると考えていました。

今回、改めてTONEコンビレンチを他と比較しながら見てみると、スパナ形状や全長、鍛造オフセットの形状などから、第1世代は燕三条産の可能性が高いような気がしてきました。

さらに、TONE第1世代にはメガネ部に鍛造オフセットとプレス曲げの2種類があることが新たに分かりました。

 

2)鍛造オフセット/OEM

 ⑦ TONE 第1世代-1 

1976年~1985年。

サイズ14mmと17mmを手に入れていますが、共に鍛造オフセットになっています。

(もう1本のサイズ22mm⑲はプレス曲げ)

 

 ⑧ HIT 

1990年頃~2014年。

サイズ13mmでL=150。

 

 ⑨ MITOLOY 

生産時期情報なし。

サイズ13mmでL=165。

 

 ⑩ SANKI & SUNKEY 

1980年代~2002年。

1991年~1992年にSANKIからSUNKEYへ徐々にブランド名が変わっています。

サイズ13mmでL=150。

 

 ⑪ HOZAN-1 

1995年頃~現在。

HOZANにはサイズ13mmの設定が無いのですが、もしあった場合はL=165と想定。

 

 ⑫ SEK 

裏面にもJAPAN刻印が無いのですが、2000年以前の商品ですので、日本製だと思います。

 

 ⑬ KOWA 

生産時期情報なし。

KOWAはファブレス企業ですので、OEM元(生産元)が必ずあるのですが、他ブランドには無いオリジナル形状になっていて、出処が不明です。

 

3)プレス曲げ/製造メーカー・オリジナル

 ⑭ KTC 

アメリカFULLER向けモデル(1980年代)に暫定的にKTC刻印したモデルです。

サイズ16mmと18mmの2種類だけ存在します。

 

 ⑮ AIGO 

AIGOの丸パネルには何故かメトリックサイズが無く、インチサイズになります。

 

 ⑯ NTK 

1960年頃~1980年頃。

凸丸型パネルとしては日本で最初のコンビレンチになります。(コンビレンチ全体では4番目)

 

NTKの凸丸パネルには浮き出し文字版と刻印文字版の2種類がありました。

浮き出し文字版は、アメリカでしか見かけませんので、アメリカ向け輸出専用と思います。

 

 ⑰ BIG 

 IKEDAの廉価版ブランドです。

 

 ⑱ ABC 

1970年代のアメリカ向け輸出専用モデルです。

 

4) プレス曲げ/OEM

 ⑲ TONE 第1世代-2 

⑦の鍛造オフセットに対し、サイズ22mmはプレス曲げになっています。


 ⑳ HOZAN-2 

珍しいタイプで、スパナとメガネのサイズが異なっています。

スパナ部が少し大きめになっていますので、13mm用のボディーを使用してスパナ部は12mmに加工しているのだと思います。

鍛造タイプ⑨とは製造元が異なるようですが、出処は不明です。

 

5) プレス曲げ/海外OEM

3つのブランドが台湾INFAR A-TypeをOEM採用しているようです。

 ㉑ E-Value 

 

 ㉒ EB-SK11 

 

 ㉓ TRUSCO 

 

 【参考】 INFAR / A-Type 

 

この回、終わり