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双葉工具(株) ⇒ (株)エンジニア

 

【2021年3月10日追記】 TS-02を手に入れましたので、TS-01~07が全て揃いました。

上からTS-07⇒TS01

左側スパナ部を7mmで揃えてあります。(上から2番目TS-06だけは5.5mm以下なので例外)

この揃い踏み写真が撮りたかったのです。

 

ケース写真

上段…現行カタログ掲載(左からTS-07⇒TS-04)

下段…旧カタログ掲載(左からTS-03⇒TS-01)

 

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ネジザウルスで有名な(株)エンジニアのコンビレンチとスパナです。

プレス打ち抜きのミニコンビレンチが発売されていることは知っていたのですが、これまで鍛造コンビレンチのブランドに拘って紹介を続けてきましたので、プレス打ち抜きを対象にすることは控えていました。

でも、アメリカの工具フォーラムを読んでいて、エンジニアに鍛造のミニコンビレンチ(TS-07)があることを知りました。

『なんだ、鍛造があるんじゃない!』

日本でもAmazon等で昔から簡単に手に入れることが出来ていました。

"灯台もと暗し"でした。

そして、素晴らしい出来映えです。

各社のミニコンビレンチとも比較してみました。

 

1.商品紹介(TS-04~07)

 ① ミニコンビレンチ大 TS-07(6~10mm/5本セット) 

商品名は"ミニスパナ"になっていますが、コンビレンチです。

ミニという商品名から安価な作りのイメージを受けてしまいますが、メガネ部のオフセットがプレス曲げでは無く、鍛造加工で付けられている高級な作りになっています。

全体の作りもしっかりとしていて、高品質です。

サイズ10mmで長さがL=103mmですが、普通の10mmスタビーがL=95mm位ですので、スタビーよりもちょっとだけ長くなっています。

なお、ボックス部は12PTになっています。(小さい方のセットTS-06は6PT)

 

Engineerの情報には製造国が表示されていませんが、エスコのオレンジブックによると台湾製となっています。

 

【2020年10月24日追記】

OEM先の検証結果を訂正します。

台湾にTeWeiという製造メーカーがあることが新たに分かりましたが、ここの型番FSSNの諸元値(長さを含む5つの諸元)がEngineerとぴったり一致します。

サイズも3.2~17mmまでが設定されており、3.5mm以外はEngineerのサイズに適合しています。

先にInfarのOEMの可能性あると推測していましたが、長さが異なっていましたので、すっきりしていませんでした。

TeWeiの現物が入手出来ていないので、断定は出来ませんが、5つの諸元値がぴったりなことから、TeWei製と考えるのが妥当だと思います。

ちなみに、元々はInfarの下請けだったようです。

今も製造専業メーカーで、独自のブランドは販売していないようですが、独自に各ブランドに製品をOEM供給していると理解しています。

 

INFARを採用していることが分かっているDEENのStubbyと比較してみました。

写真から分かるように長さ以外の各寸法と形状はDEEN/INFARと同一と言えます。

長さはENGINEERの10mmがL=103mmに対し、DEEN/INFAR StubbyはL=96mmであり、7mmだけ長くなっています。

INFARがENGINEERのために少し長いバージョンを作ることはあり得ると思います。

表面仕上げは、ENGINEERがサテン(絹仕上げ)に対し、DEEN/INFARはミラーになっていますが、INFARはオプションでサテン仕上げも持っていますので、ENGINEERはサテンを選択したことになります。

なお、後述するスパナTS-04も、INFARのOEMのようです。

 

ボックス部のオフセット角度は通常15度であり、DEEN/INFARも15度になっています。

一方、ENGINEERのオフセット角度は18度になっていて、少し多めに立上がるようになっています。

PCなど電子機器内部など狭い場所での取り回しの良さを考慮したのかと推定します。

だとすれば、初めから少し短めにして、Stubbyと同じ長さにすれば良いのにと思うのですが、この辺りはENGINEERの設計思想なのでしょう。

 

 

↓TeWeiカタログ

 

↓INFARカタログ/Stubby

 

 ② ミニコンビレンチ小 TS-06(3.2~5.5mm/5本セット) 

この小さい方のセットも①と全く同じデザインですので、Tewei INFARのOEMであり、ENGINEER向け専用の特別仕様と考えるのが妥当だと思います。

ボックス部は、TS-07①が12PTなのに対し、こちらは6PTになっています。

 

 

TS-06、TS-07そろい踏み

 

 番外/スパナ TS-05 

同じく鍛造タイプのスパナ(3.2~11.0mm/5本セット)です。

スパナと胴長のつなぎ部分が角張ったデザインなのが特徴です。

胴長デザインはTS-06、TS-07と共通になっています。

 

 

INFARの"Mini Double Open Wrench"と比較します。

仕上げがミラーと梨地の差がありますが、長さは同じで、形状は下の比較写真の通りINFARとぴったりと同一です。

また、重さもINFARを切り上げればENGINEERと同一になります。

以上より、INFAR製と考えるのが妥当です。

↑TS-05諸元表 ↓INFAR(TS-05 4x5との写真比較も)

↓INFARカタログ/スパナ

 

 ③ プレス打ち抜きコンビレンチ TS-04(3.5~8.0mm/8本セット) 

ステンレス材をプレス打ち抜きしたコンビレンチです。

カタログ内の使用例ではPC内部の小さいボルト締付に利用されています。

商品パッケージに日本製と表示されています。

 

  

 

日本製であるならば、燕三条でステンレスのカトラリー(洋食器)を得意とするメーカーがステンレス打ち抜き製品を良く生産していますので、関連するのかもしれません。

ちなみに、下の写真のSnap-on Japan特注品もステンレス打ち抜きの燕三条製です。

 

2.他のTSシリーズ

TSシリーズは全部で7種類あり、残りの3種類(TS-01~03)は以下の通り。

 

 TS-03 

プレス打ち抜きコンビレンチの旧型で、ロゴは刻印タイプになっています。

TS-04ではボックス部だけに曲げ(オフセット)角度が付いていましたが、TS-03はスパナ部にも同様の曲げ角度が付いています。

後継品がTS-04で、シルクスクリーン印刷のロゴに変更されています。

TS-04と同様に日本製です。

パッケージの会社名が旧社名のFutaba Tool(双葉工具)になっていますので、2001年より以前の商品であることが分かります。

 

 



 

 TS-02 

TS-01が直型(ストレート型)であるのに対し、TS-02は曲型と称して両端のスパナ部がおじぎする形で24度曲げてあります。

 

 

 TS-01 

TSミニスパナシリーズの第1弾、鍛造タイプの5本セット(3.2~9mm)です。

2017年12月に廃番になっていますが、今でもAmazonで入手可能です。

エスコのオレンジブックによると日本製になっています。

 

 

3.鍛造ミニコンビレンチの各ブランド一覧

他社の鍛造ミニコンビレンチの設定状況を確認してみました。

3.2mmから設定しているのがENGINEERとKTC、SK11の3ブランドです。

この中で、3.5mm設定はENGINEERだけ、4.5mm設定はKTCとSK11だけになっています。

さらに、4.0mmからがTOUGHとSnap-onの2ブランドになっています。

なお、INFARが5.0mmからの設定になっていますが、INFAR自身のブランドモデルは実在せず、OEMメーカー向け販促用のカタログスペックだと思いますので、ここでは触れないことにします。

ちなみに、大半のブランドが6mm以上でのコンビレンチ設定になっていますが、一覧表の通り12ブランドが5.5mmからのラインナップになっています。

 

★3.2mm比較

一番小さな3.2mmから設定がある3ブランドを比較します。

ボックス部に注目して出来度合いを確認してみますが、外観品質としては意外なことに日本製のKTCはどうしちゃったのだろうという低レベルです。

逆に、台湾製のENGINEERとSK11の出来の良さが際立つ形になります。

そして、より小さなENGNEERが細部までしっかりと出来ています。

これはINFARの高品質を証明していることなのかと思います。

 

 

★鍛造ミニコンビレンチのフルセット

↑KTC MS2

何故か6mmが他と揃わずに短くなっています。

 

↑SK11 ミニコンビレンチS

 

↑TOUGH 

カタログで唯一手に入れることが出来ている最終版には掲載されていない商品のため詳細は不明です。

同一デザインのメガネが最終カタログに載っていて、3.2mmから9mmまで設定がありますので、このコンビレンチも3.2mmからの設定があった可能性もあります。

 

★Craftsman/Midget Wrench(鋼材打ち抜き)

CraftsmanのMidget Wrenchセットです。(品番4234x)

プレス打ち抜きですが、鋼材を使用していて、厚みがあります。

アメリカにはこのタイプが多くあり、一般的にはインジェクションレンチと呼ばれています。

"鍛造"はプレスでガシャンと丸棒に圧を掛けて成型してから再度プレスを掛けて打ち抜きます。

一方で、"プレス打ち抜き"は平板な鋼材をプレス一発で打ち抜きますので、ボディー本体には圧は掛からず、ほとんど平板のままで鍛造状態にはなりません。

したがい、熱処理をしたとしても鍛造の方が高い強度になります。

但し、元々小さなレンチですので、鍛造品ほどの強度が必要で無い場合もあり、安価に出来ることから、その存在価値があります。

 

★SK11ミニコンビレンチセット(ステンレス打ち抜き)

SK11のブランドE-Valueにも③と同じようなステンレス材のプレス打ち抜きタイプのミニコンビレンチ8本セットがあります。

同じ物かと思いましたが、サイズの設定が異なります。

また、メガネ部のオフセット角度が20度になっており、ENGINEERの30度とは異なります。

さらに、E-Valueの方は台湾製になっています。

 

4.カタログ(TS01~07)

 

 

★エンジニア販売中止一覧(スパナ類のみ抜粋)

 

5.ネジザウルス

ちょっと古めの車に乗っていますので、取れなくなったビスを緩めるためにネジザウルスに良くお世話になっています。

私が愛用しているのはネジザウルスGT(PZ-58)と鉄腕ハサミ(PH-51)の2つです。

 

 

ネジザウルスの解説ブログはこちら

 

6.グッドデザイン受賞

5回に渡ってグッドデザイン賞を受賞しています。

特に2014年から4年続けての受賞になっています。

 

  

 

 

 

 

7.各種情報

エンジニア会社Web

製品情報(英語版)

エスコ・オレンジブック/検索ページ

社歴

Wikipedia

 

*初稿:2020年7月28日

 

この回、終わり