TONE-2
スパナ編
【2021年3月21日追記】 フラットのロング(2.項)をやっと入手、3種とも新規、モリブデン仕様も
★スパナ一覧表
TONEのスパナは種類が沢山ありますので、一覧表にまとめました。
なお、この一覧表はカタログ全63冊を読み込んだ結果をまとめたものです。
カタログ発行と商品販売開始の時期のずれなどから実際の販売年と異なる場合もあると思います。
ちなみに、モデルチェンジ後も写真は変更前のままだったり、一方でモデルチェンジ後の写真が7年前から載っていたり、カタログには各所にナゾナゾがちりばめられていて、読み応えがありました。
1.フラット
① デラックス
1964年にTONEスパナ第1号として登場し、1966年までの3年間だけ販売。
材質:Cr-Mr-V(高級版)
品番:300xM(写真の12x14は品番3003M)
JISマークの無いフラットモデル
会社ロゴと同じ様に利根川の流れを表す///がロゴの上下に配置されています。
TONEは1964年に深江工場でスパナのJIS認証を取得しています。
カタログにはJISマーク無しとして載っていますが、折角JISマークを取得したのに使わない手はありませんので、実際にはJIS取得後にJISマーク付きに変更したのでは無いかと推測しています。
事実、次のモデル③もカタログにはJISマーク無しで掲載されていますが、実際のモデルはJISマーク付きになっています。
と言うことは、写真のJISマーク無しは、販売期間3年間内の初期だけの貴重なモデルになるのかと思います。
KTCでも大変お世話になったコレクターの方から譲って貰いました。
↑カタログ掲載写真
② スタンダード
販売:1964~66年(上記①上記と並行販売)
材質:Cr-V(復旧版)
品番:0300xM
①とは材質が異なりますので、裏面の材質刻印が異なると思われます。
1966年に販売終了し、名称のみ③に引き継ぎます。
③ スタンダード(材質は①デラックスと同じ高級版)
販売:1967年(単年のみ)
ロング発売開始に伴い、上記①と同一品の名称をデラックスからスタンダードに変更しました。
したがい、材質は高級版のCr-Mr-V。
従来の②(同名スタンダード)は廃盤となります。
品番は一新し、2xM。
Mはメトリックを示すので、インチサイズは2xになり、写真の7/8x25/32は品番27。
カタログ上ではJISマークは入っていませんが、1964年に深江工場がJIS認証を取得しており、実際の商品はJISマーク付きです。
また、同じくカタログの掲載写真にはありませんが、品番(No.27)が表面に刻印されています。
裏面のCr-Mr-Vの刻印が③の証です。
スパナ形状のやり型度合い(とがり方)が強くなっています。
サイズ表示の向きがロゴTONEに対して90度変えてあるのは①、②と同様です。
↑カタログ掲載写真
④ シルバースパナ・スタンダード
販売:1968~72年
凹パネル・スパナ(ゴールドスパナ⑦)の新規発売に伴い商品構成が見直されて、フラットモデルは復旧版の位置づけとなり、材質がCr-Vに変更(ダウングレード)されました。
品番は、2xMを継続。
1968~72年はシルバースパナ2種④、⑥とゴールドスパナ⑦の3本立てですが、1973年に商品構成が再度見直され、このモデル④は廃盤となります。
カタログ上ではこのモデルからJISマーク付きになっていますが、前モデル③から既にJISマーク入りになっています。
サイズ表示がロゴTONEと同じ向きに変わっています。
④と③の比較です。(同一インチサイズ)
サイズ表示の向きとスパナ形状やり型度合いの差に注目して下さい。
同じ④でも若干ですが明らかに形状が異なるものがあります。
写真下側が通常のもので、上側が異質です。
・上の方が胴長が幅広い。(1/2側が特に)
・スパナ部根元のエラが、上の方が幅広い。(9/16側が特に)
・胴長部の面が、上はフラットに近い。
④のインチサイズ、5種。
④のミリサイズ6種。
当初はインチサイズだけが手に入っていたので、ミリサイズはどうしたのかと思っていましたが、やっとミリサイズも見つけました。
ちなみに、③と④には製造記号としてアルファベット1桁が刻印されていて、AからWまでありますが、製造ロットなどの表示かと思います。
③と④も製造は深江工場だと思われます。
2.フラット・ロング
⑤ ロング/モリブデン仕様
販売:1967年(単年のみ)
上記③のロング版として新発売されました。
材質は③と同じ高級版でCr-Mr-V。
品番は、4xM。
カタログ掲載の写真ではスパナサイズが右側の方が大きくなっています。
一方、他のフラットモデル①~④、⑥は全て左側の方が大きなサイズになっていますので、カタログ写真は構想図であり、実物と異なります。
⑥-1 ロング・シルバースパナ
1968~75年
凹パネル⑦の新発売に伴い、⑤は廉価版ロングとなり、材質が④と同様にCr-Vに変更されています。
品番は、4xMを継続。
スタンダードと同様に⑤に対してサイズ表示の向きとスパナ形状やり型度合いが変更になっています。
⑥-2 ロング/表裏共に"TONE"刻印
シルバースパナ⑥-1のバリエーションと思いますが、表裏面共に"TONE"と刻印されています。
3.凹パネル
1968年に現代的デザインの凹パネルモデルが登場しました。
凹パネルには基本的に3種類があり、第1世代~第3世代と分類します。
第1世代は、胴長部中央の凹パネルが短く、第2世代ではこのパネルが長くなります。
さらに、第3世代では左右の向きが逆になり、第1、第2世代ではサイズの大きい方が左だったものが、大きなサイズは右の方になります。
⑦ 第1世代/ゴールドスパナ
販売:1968~72年
時代はフラットタイプからパネルタイプに移行してきたため、凹パネル・スパナを新規設定。
高い強度を売りにし、Ni-Cr-Mr-Vを採用し、名称もゴールドスパナとしています。
ライバルのKTCはNi-Cr-Vを採用しており、Mr/モリブデンの配合をセールスポイントにしたものと思います。
但し、裏面の刻印にはMr/モリブデンが無く、Ni-Cr-Vとなっています。
カタログではMr/モリブデン含有を明記していますが、凹パネルの幅が狭くてMrと刻印できなかったのでしょうか?
ロゴは、『''TONE,,』です。
フラットモデルの『///』と同じ様に川の流れデザインを継続させたのでは無いかと思いますが、会社ロゴの流れ3本『''' ,,,』では無いので、単にアポストロフィーとコンマで囲っただけなのかもしれません。
品番は、6xM。
なお、材質Ni-Cr-Vはこのモデルの3年間だけで終了し、次のモデル⑧では一般的なCr-Vになっています。
6本セット未使用品を手に入れることが出来ています。
ケースの蓋にゴールドスパナの文字が鋳込まれています。
また、蓋の裏側には金色の”ゴールドスパナ”のステッカーが。
⑧ 第1世代/シルバースパナ・スタンダード
販売:1973~78年
商品構成がややっこしくなりますが、1973年にゴールドスパナがシルバースパナに統合されます。
材質は、シルバーへの名称変更と共に、Ni-Cr-Vから一般的なCr-Vへ変更になりました。
カタログ写真ではロゴは『''TONE,,』を継続させていますが、現物ではロゴが単に『TONE』となっています。
シルバースパナと名称変更したモデルには''TONE,,とTONEの2種類があったか、またはカタログは誤りでTONEに変更されていたかのいずれかです。
⑨ 第2世代/シルバースパナ・スタンダード
第2世代となり、胴長中央の凹パネルの長さが第1世代⑦、⑧よりも長くなっています。
材質Cr-V、品番Sは変わらず。
ロゴは、『TONE』。
また、『TONE』の右隣に品番を示すSが刻印されています。
製造記号として2桁のアルファベットが登場し、このモデルはSS。
カタログ掲載のスケッチ画では1978年版から凹パネルが長くなっていますが、1976年の凹パネル・ロングの新規設定に合わせて1976年から変更されていた可能性もあります。
※TONEカタログに掲載されている写真やスケッチ画は、実際の変更より早めに掲載されたり、変更されても差し替えされない場合がありますが、カタログ通りに1978年の発売としてあります。
製造年月:66⇒1986年6月
※製造年月は、当コレクションの推定による。(TONEの公式見解では無い)
まず、そのモデルの生産時期から10年単位で年代を特定。
モデル⑨&⑩は、1978年~1986年の生産であることから、10桁の数字6は1986年。
さらに、1桁の数字6は6月。(X:10月、Y:11月、Z:12月)
製造記号SS版のバリエーションで、表面の品番を示すSが極端に小さくなっています。
複数のサイズで同じ小さなSが確認出来ています。
製造年月:1980年4月(←04)
⑨のバリエーションで、製造記号がAKになっています。
ロゴ『TONE』の右隣の品番Sが大きめになっています。
製造年月:不明(記号A)
同じく⑨のバリエーションで、製造記号がKNになっています。
表面の品番Sは中くらいの大きさです。
製造年月:1980年2月(←02)
⑨のバリエーションで、製造記号がありません。
製造年月:1986年1月(←61)
⑩ 第2世代/スタンダード(名称変更)
販売:1981~86年
名称が変更になっただけで、商品の変更はありません。
⑪ 第3世代/スタンダード
販売:1987年~2012年(ロングセラー25年間)
第3世代に切り替わり、スパナの左右向きが変更になっています。
従来の⑧&⑨は左側が大きいサイズだったのが、このモデルから右側が大きいサイズとなっています。(13x17の場合、従来は17mmが左側、このモデルから17mmは右側)
また、裏面の刻印文字の向きもひっくり返る形となりました。
カタログ1988年版に掲載されている諸元表のD1、D2寸法より、左右向きが変わったことが分かります。
掲載写真の方は、従来モデルの⑨、⑩がそのまま載っていて、左が大きいサイズのままとなっているので、しばらく第2世代から第3世代の変更時期を間違えて解釈していました。
材質Cr-Vと品番Sは変わりません。
ロゴは、『TONE』から『TONE TOOL』に変わりました。
このモデルには製造記号が2種類(KBとHK)あり、さらにJISマーク有無やJISマーク種類、Japanと製造記号の刻印位置などのバリエーションがあります。
製造年月:2013年4月(←134)
↑⑪のバリエーションで、製造記号HKは変わりませんが、JIS JQAマーク(新JIS)とJAPANの刻印が表面と裏面で入れ替わっています。
製造年月:2008年9月(←089)
↑⑪の別のバリエーションで、製造記号がKBに変わります。
また、JISマークはJIS JQA(新JIS)では無く、単なるJISマーク(旧JIS)になり、裏面に刻印されています。
表面は『TONE TOOL』のみで、シンプルになっています。
製造年月:1999年7月(←997)
↑⑪のインチ版です。
上の第3世代3つは製造記号がアルファベット2桁(HKとKB)でしたが、このインチモデルは第1世代⑧と同じように数字2桁だけになっています。
品番はインチ専用のSBとなります。(写真の19/32x5/8は、SB-1920)
左右のスパナサイズがほとんど同じことから気が付いたのですが、19/32インチというサイズはあまり聞いたことがありません。
どうも日本独自サイズの様です。
少なくとも、Snap-onにはスパナにもボックスにも、このサイズは設定されていません。
ちなみに、KTCにも19/32があります。
インチなのに日本独自サイズがあるというのは不可思議ですが、アメ車持ちでは無いので、インチ事情は良く分かりません。
製造年月:2001年9月(←19)
↑⑪のバリエーションで、凹パネル部の長さが他の第3世代に較べて短くなっています。
パネル長さは、第1世代が短く、第2世代と第3世代は長くなっていますが、このモデルはその中間のながさになっています。(第1~3世代との比較写真を下に載せます)
製造記号は無く、数字2桁だけになっています。
製造年月:1994年10月(←4X)
第3世代、製造記号HKのフルセットです。(実は1本だけKBが入っています)
第2世代、製造記号KNの7本セットです。
このホルダーは、スパナの出し入れがとてもスムーズに出来ます。
4.凹パネル・ロング
スタンダードと同じように左右の向きに差があり、第1世代(写真上側)は左が大きいサイズで、第2世代(写真下側)は右が大きいサイズになります。
⑫ ロング第1世代/シルバースパナ・ロング
販売:1976~80年
前述3度目の商品構成見直しに伴い、ロングモデルのフラット⑥が廃盤となり、このモデルが新規設定されています。
これでスパナの凹パネル切り替えが完了となりました。
品番は、LS。
ロゴは『TONE-TOOL』で、TONEとTOOLの間にハイフォンが入っています。
材質Cr-Vは、変わりません。
⑬ ロング第1世代/ロング(名称変更)
販売:1981~86年
名称が変更になっただけで、商品の変更はありません。
⑭ ロング第2世代/ロング
販売:1988年~2012年
スタンダードと同様に左右向きが入れ替わっています。
上記⑩と同じように1988年版カタログのスパナ幅D1&D2より分かります。
製造記号はHK。
2013年の新世代シリーズ登場に伴い廃番となり、TONEとして最後のロングモデルとなります。
↑⑭のバリエーションで、製造記号HKが表面に移動しています。
↑製造記号のアルファベット2桁(HK)が無く、数字3桁のみ。(959:1995年9月製造)
5.新型
販売:2013年~現在
コンビレンチと共に2014年グッドデザイン賞を受賞。
※カタログ上では2013年、実際の発表は2014年、市場に出回ったのは2015年後半の様子。
6.ファインツール
販売:1992年~2009年
KTCのミラーツール対抗で発売され、コンビレンチの1年遅れでの登場となりました。
ファインツールのセットも手に入れました。
コンビレンチの方がなかなか見つかりません。
7.ステンレス
販売:2009年~現在
コンビレンチのステンレス版(1991年発売)から遅れること18年、スパナにもステンレス版が登場しました。
8.薄型
2020年カタログから掲載開始
9.Uボルト・レンチ(商用車用)
TONEの初代スパナは、実は正確に言うと1964年の①ではなく、その10年前の1955年に登場しています。
商用車の前後アクスル固定Uボルト用のナットを締めるための大型スパナです。
最初はコンビレンチとして前年の1954年に構想されたらしいことは前回のコンビレンチに書いた通りですが、丸棒の両口スパナタイプ、”Uボールト・レンチ”の名称で1955年に発売されました。
長さ600mm、重さ20キロ近くの超ヘビー級になります。
自家用車用工具の世界から見ればちょっと異質ですので、初代スパナの称号は①のままとしておきます。
ちなみに、KTCにも同様のUボルト・レンチがありました。
正確にはKTCの前身、京都機械/一重丸京の時代(1950年よりも以前の戦後直後)から発売されていますので、TONEよりもKTCの方が先に発売されていたことになります。
TONEモデルを見つけた時は形状が極似していることからKTCに外注したのかと思いました。
でも、スパナ取付口の平面から丸棒に変化する部分の形状が異なること、ならびに設定サイズや全長が異なることから、TONEオリジナルと考えて良いと思います。
↓KTC/一重丸京のUボルト・レンチ
一重丸京のロゴがあることから1950年前後のモデルであることが分かります。
↑1974年のKTCカタログより
上の写真は、発売の翌年1956年のカタログに掲載されているものですが、右側スパナの根元に”川の流れにTONE”のロゴがちゃんと入っているように見えます。
KTC版は運良く手に入れることが出来ていますが、TONE版は難しそうな気がします。
でも、見つかれば、もちろん巨大でもコレクションに加えます。
次ページにカタログ(TONE-3:前編、TONE-4:後編)を掲載します。
TONE-3/カタログに続く





















































