TONE カタログ前編(1954年~1990年)

 

TONEカタログで現存する一番古いものは1954年版になります。(*注1.)

その1954年版から数えると最新の2020年版まで63冊が発行されています。

1954年の時には商品(ハンドツール)としてまだソケットレンチ類のみでしたが、現存する一番古いカタログに敬意を表して全ページ(見開きで10ページ)を掲載します。

また、同時期(1950年代前半)にTONEブランドを紹介するガイドブックも発行されています。

貴重な資料ですので、これも全ページ(見開き7ページ)を掲載します。

その後のカタログについては、コンビレンチとスパナに絞り、商品に変化があった時のみとします。

また、10年毎の記念版では、歴史等の解説部分も載せます。

なお、画像を貼り付ける形で掲載していますが、ページ数が多いことからブログの制限容量を越えてしまうため、前編と後編の2回に分割します。

*注1. 1954年版は発行番号がNo.103になっていることから3冊目のカタログと推定できますので、カタログ第1号は1950年頃と思われます。(戦争が終わって5年目頃)

 

 1)1954年 

現存する一番古いカタログです。

商品としてソケットレンチ類がラインナップされています。

全18ページを掲載します。

 

 2)1950年代前半のガイドブック 

 

 3)1964年 スパナ登場 

初めてスパナが登場します。

フラット形状モデルで、デラックスタイプ(品番300xM)とスタンダードタイプ(品番0300xM)の2種類が設定されています。

カタログにはその差が説明されていませんが、クローム・モリブデン・バンジューム鋼と普通のクローム・バンジューム鋼の使い分けと思われます。

サイズ表示の数字の向きがロゴTONEとは90度異なります。(1968年のシルバースパナ命名時にロゴTONEと同じ向きに変わります)

ちなみに、会社ロゴが変わり、”トネの工具”という言葉が追加になっています。

 

 4)1967年 スパナがスタンダードとロングの2本立てに 

スパナのロングが新たに設定され、2本立てになりました。

材質としてクローム・モリブデン・バナジューム鋼が使用されています。

品番も新しくなりました。

スタンダード…2xM(21M~28M)

ロング…4xM(41M~48M)

1964年に深江工場がスパナのJIS認証を取得していますが、カタログの写真を見る限りではスパナにはまだJISマークは入っていません。

カタログの表紙にスパナが登場し、また掲載商品のトップもスパナとなり、ソケットレンチのTONEから工具全般のTONEに変わろうとしていることをアピールしています。

ちなみに、表紙に写っているスパナは翌年に発売開始するゴールドスパナで、このカタログ内には掲載されていません。

なぜ翌年に発売されるものをカタログの表紙に載せているのか不思議ですが、この後のカタログで写真掲載の7年後に販売されるという例もありますので、あまり厳格に運用されてはいなかった様です。

 

 4)1968年/30周年 『社史』、ゴールドスパナ登場 

ニッケル・クローム・モリブデン・バナジューム鋼という高級鋼材を使用した新型スパナ(凹パネル)がゴールドスパナとして登場しました。

カタログ内に詳しい技術解説が載っています。

また、前年1967年にスタンダートとロングの2本立てになったフラットモデルは、シルバースパナという商品名に変更になっています。

品番は変わっていませんが、1968年のもう一つのカタログ(次に掲載)を見ると、シルバースパナはクローム・モリブデン・バナジューム鋼から通常のクローム・バナジューム鋼に変更になっています。

なお、1964年に近江工場がJIS認証を取得していますので、ゴールドとシルバー共にJISマークが入っています。

※JIS規格にロングの設定が無いため、シルバースパナのJISマークはスタンダードのみ。

『社史』は、戦前と戦後を生き抜いた工具メーカーの物語としてとても興味深い読み物です。

ちなみに、同年11月に発表されたビートルズの伝説のアルバム『ホワイトアルバム』を意識したのか、カタログ表紙が表も裏も真っ白です。

 

 5)1968年 ゴールドスパナ・カタログ 

30周年カタログと同じ年の発行ですが、新製品としてのゴールドスパナを特集する形のカタログになっています。

30周年版にはセット番号だけが載っていましたが、こちらには単品の品番も載っています。

ゴールド…6xM(61M~68M)

シルバー・スタンダード…2xM(21M~28M)

シルバー・ロング…4xM(41M~48M)

 6) 1973年 シルバースパナに一本化 

凹タイプのスパナをゴールドスパナと呼んでいましたが、名称がシルバースパナに一本化されました。(品番も変更)

材質がどうなったのか説明がありませんが、恐らく従来のシルバースパナと同様のクローム・バナジュームに変更されたのではないかと推定しています。

この変更に伴い、従来のシルバースパナのスタンダードは廃番になり、ロングだけが継続しています。

まとめると、

・従来のゴールドスパナ(凹タイプ)⇒名称変更:シルバースパナ・スタンダード

・従来のシルバースパナ・スタンダード(フラット)⇒廃番

・従来のシルバースパナ・ロング(フラット)⇒継続

ちなみに、1973年版には品番が記述されていませんが、1976年版にスタンダード:品番S、ロング:品番LSと説明されています。

 

 7)1974年 

ちょっとヌーディーな女性が工具と共に登場していますので、表紙だけ載せます。

アメリカの整備工場には必ず貼ってあったSnap-onなど工具メーカーのヌードポスターとの類似性を感じます。

工具とヌーディーな女性は相性が良いみたいです。

 

アメリカのトラックディーラー周りをしていた頃、どこのガレージに行ってもSnap-onのポスターがでかでかと貼ってありました。

 

 8)1976年 コンビレンチ登場 

いよいよコンビレンチが登場します。

TONE最初のコンビレンチは凸パネルです。

カタログ内のコンビレンチ写真(デザイン画)は、ロゴが"TONE"になっていますが、これは企画時のもので、実際の商品は"TONE TOOL"で発売されました。

コンビレンチの紹介には1ページの1/6程度しか割かれておらず、スパナの登場に較べると寂しいデビューです。

そのスパナのロングが、フラットから凹パネルにモデルチェンジされ、スタンダードと同じ形状になりました。

カタログ内のスパナセット写真は不鮮明なので、拡大しないと分かりません。

正確な形状は、2年後の1978年版に掲載されます。(下の写真はその1978年版のもの)

ロゴが"TONE-TOOL"になっています。

 

 9) 1978年 40周年版 『会社のあゆみ』 

1976年に登場した新しいシルバースパナ・ロング(凹パネル)の形状図面が掲載されています。

↑ロング ↓スタンダード

 10) 1978年 第2版 

再び表紙だけ。

TONEのカタログ表紙に女性が登場するのはこれが最後です。

 

 11) 1981年   

スパナの商品名であったシルバースパナという呼び方を止め、単にスパナという呼び方に変わっています。

 

 12) 1985年 2代目コンビレンチ登場 

コンビレンチが2代目にモデルチェンジされ、スパナと同一デザインの凹パネルとなりました。

品番MSは初代のものを継続し、カタログ内の写真(構想図)だけが差し替わった形でひっそりとデビューしています。

実は、7年前の1978年にシルバースパナがデビューした時のカタログ写真の中に2代目コンビレンチ構想図がでかでかと一緒に写っています。

このモデルは何だろうと気が付いた人にとっては7年後にその疑問が解決した形になります。

また、裏表紙に新しいロゴ(現行版)が初登場します。

でも、ロゴが変わったとはどこにも説明が無く、これもひっそりとしたデビューです。

ちなみに、商標登録を示す丸Rはまだ付いていません。(丸R付きのロゴは1988年版から)

 

 13) 1987年 第2刷 

スパナ・スタンダードがマイナーチェンジされ、胴長の凹パネルが長くなっています。

見分け方は、凹中央パネルと凹サイズ表示パネルの間隔。

↑1986年版に掲載のスパナ

↑1987年版に掲載のスパナ

 

現在でも使用されている赤地に白文字の新ロゴ+丸Rが初登場します。(新ロゴ自体は1984年に登場)

そして、"inging"というデザインマークも初登場します。(1991年まで使用されます)

正直なところ、説明をじっくり読んでも"inging”の意味するところが良く分かりません。

"ing"を2回重ねた造語を使用したイメージ戦略なのでしょうが、目的と手段が空回りしているかと思います。

商品に貼り付けられているラベルに”インギング島”なる言葉が出てきますが、ここに至っては全く意味不明です。(句点の使い方など文章も変ですし)

 

 

 14) 1988年 50周年版   

50周年記念としての特集は特にありません。

『工具作りひとすじに50年』という言葉が6ページに出てくるだけです。

商品情報にも変化はありません。

 

 15) 1990年 

1990年版がカタログ前編の最後となりますが、商品情報に変化はありませんので、表紙のみを掲載します。

 

 

TONE-4/カタログ後編に続く