前回のPlombで説明の通り、1933年にPlombが最初のコンビレンチを発表する以前からスパナとメガネを一体(コンビネーション)にしたものは世に出ていました。
Plombのコンビレンチを現代版/Modern Typeとすれば、それ以前の物は旧型/Old typeと分類すれば良いかと思います。
今回は、そのOld Type Combination Wrenchを2点紹介します。
前回は90年前の話でしたが、今回は120年前の話になります。
1.T型フォード車載工具
世界初の量産自動車として1908年から1927年まで生産されたT型フォードの車載工具で、スパークプラグ(スパナ部15/16インチ)とヘッドボルト(メガネ部5/8インチ)用です。
ヘッドボルト締付工具が車載工具に含まれているのは昔の車ならではですね。
”初めてのコンビレンチ”と称されるPlombのそれはスパナとメガネ共にオフセットしていることが”初めて”と呼ばれる理由と言われていますが、さらに30年前のこれだってスパナ部は若干ながらオフセットしているし、メガネ部もちゃんとオフセットしています。
『Plombと同じじゃ無いか』と思いたいところですが、はっきり言って古めかしくてかっこ悪いです。
一方、Plombは現在でも通用する美しいスタイルをしています。
これがOld TypeとModern Typeに分類すべき理由と思います。
生産はMorre Drop Forging社(創業1900年)。
後にCraftsman Vシリーズの生産を担当することで有名になります。
このブログにも何回か後にそのMorre Drop Forgin社製のCraftsmanコンビレンチが沢山登場します。
2.Auto-Kit
Plombのコンビレンチが出てくる前の1930年初頭の製品です。
スパナ部からメガネ部まで平らです。
現代の自転車用コンビレンチと同じとも言えます。
でも、これもオールドファッションな姿をしていますね。
当時の自動車用工具の一般的な形だったようです。
他にもIndustroやBarcaloで同様の商品があります。
真ん中に穴が開いているのは6本のサイズ違いセットを貫通ボルトで固定させるためのものです。
私のコレクション品にはこのボルトが無いのが残念です。
ちなみに、Auto-KitとはJP Danielson Company(創業1903年)のブランド名です。
3.コンビレンチの定義
と言うことで、初めてでは無いのに、Plombが”初めてのコンビレンチ”と呼ばれた理由は、斬新な(今から見れば現代的な)かっこ良さです。
ところで、コレクションを進めていくと、『これってコンビレンチなのかな?、コレクションに加えて良いのかな?』と立ち止まることが良くあります。
したがい、コンビレンチの定義をはっきりさせなくてはなりません。
コレクションはしょせん個人の趣味の世界ですから、私が勝手に決めることが出来ます。
コンビレンチとは、”スパナとメガネが一体になっているボルト締付工具”と定義します。
この定義からすれば、今回のOld Type2点は立派なコンビレンチです。
OldとModernの垣根は無いことにし、私のコレクション中で一番古い物として大事にしていきます。
ちなみに、前述のコレクション定義から外れるけれど、”思わず集めたくなるコンビレンチ形状の物”が結構あります。
いずれ番外編として登場して貰います。
次回はいよいよ国内ブランドの代表としてKTCの登場です。
私の想い入れも深いものがありますが、コレクションを進めていくと次から次へと新しい物が出てきます。
現在、鋭意まとめ中ですので、2月後半になってから投稿します。
情報量が多いので、今のところ4回に分ける予定です。
・その1:日本編
・その2:特注品編
・その3:海外OEM編
・その4:スパナ特別編
スパナはコレクション対象では無いのですが、KTCロゴなど刻印の変遷を追いかけていくとスパナの多様性にたどり着くのです。
今のところ、スパナは基本モデルだけでも23あるのが分かっています。
お楽しみに!
この回、終わり





