鶴丸航空のCA時代
地上職の職員が一年間、客室乗務をするという
研修のようなものがあった。
私の下にも東大卒の青年が一人入った。
(当時の私はスチュワーデスの一ランク上、アシスタントパーサー)
客室の仕事は、離陸から着陸までが勝負。
残業するわけにもいかず、仕事を減らすわけにもいかず
多くのお客様の要望に応えながら
飲み物を出し、食事を出し、免税品を売り、保安に気を配りetc。
とにかく、考える前にチャッチャと動かなければ仕事が終わらない。
くだんの東大君、予想はしていたけれど、仕事ができないとか何とか
そんなレベルじゃなかった。
先輩である私にタメ口だったのは普通
頼まれた用事は忘れる、食事を配らせれば一列丸ごと抜かす。
お客様への受け答えも満足にできない。
夕食を配り終えた後で、私は彼をギャレー(キッチン)の中に呼んだ。
(実際は、ただ一言「来い!」と言った)
おそらく、その時の私は鬼の形相だったに違いない。
「客室の仕事ができないのは許すわよ。慣れてないだろうし。でもね、何より許せないのは、あんたみたいなやつのために
長年苦労して税金を納めてきたアタシ自身なのよ。
税金返せっっっ!!!」
数十年の時を経て、人の親になり
上の子も下の子も、国立大学(院)のお世話になるようになった。
昨日の晩御飯に出した冬瓜の煮物をつつきながら
下の息子が一言。
「これってタケノコ?」(゚∇゚ ;)エッ!?
冬瓜ですよ。冬瓜。
大根に間違えるならまだしも、タケノコですよ、アナタ。
それも、見ただけじゃなくて、一口食べての言葉ですよ。
税金返せっ!と、お思いになった方々。
どうぞ一列に並んで下さい・・・

