週末で暇ですから長いですよ~。




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ある漫画家が、飛行機の中で泣きやまない赤ちゃんに怒り
母親に苦言を呈したことから
論争がおきているという記事を読んだ。

私の目の前で起きた事ではないから
これは伝聞である。
なので、今回も自分が経験した話を書こう。

それは、ヨーロッパのどこかの都市から
成田に向かう便だったと思う。
機内食を出してしばらく経ち、次の軽食が出るまで
乗客のほとんどが毛布をかぶって眠っていた時間。
飛行機の真ん中へんにいた赤ちゃんが泣き続けていた。
最初はぐずるように、そのうち
お母さんの不安を感じるにつれて
どんどん大声で、最後はほとんど泣きわめいていた。

お母さんは赤ちゃんをだっこして機内の最後尾へ。
トイレが並んでいるあたりで
お母さんも泣きそうになりながら
必死で赤ちゃんをあやしていた。
他の乗客や乗務員が通りがかる度に
すみません、すみませんと頭を下げながら。


私は、トイレのすぐ手前、空いていた座席に
親子を案内し、数時間後に提供するはずだった軽食を
お母さんの前に置いた。
バナナや牛乳など
小さい子でも食べられる物が乗っていたから。

機内は気圧の関係もあるし
非常に乾燥しているので
子供に適した環境ではない。
ただでさえぐずつく子供が多いのに
母親までパニックになったら、子供はもっと泣く。
赤ちゃんがどうこうというより
お母さんを楽にしてあげたかった。

しきりに周りを気にする母親に
私はきっぱり言った。
「大丈夫ですよ、赤ちゃんは泣くものです」
周りに聞かせたかった。
誰かから文句が出たら
相手になる気、満々だった。
他の乗務員全員を敵にしても
乗客全員を敵にしても
お母さんを安心させてあげたかった。
当時一歳になったばかりの長男を人に預け
乗務復帰していた私もまた、母親の一人だったから。

でもね、文句を言う人なんか
誰もいなかったよ。
成田からすぐ職場に向かわねばならないビジネスマンも
遊び疲れて眠りをむさぼる旅人も
舌打ちひとつせず、その親子を見守っていた。
お母さんが必死で子供をあやす姿を見たら
一体、どんな苦言を呈せるというのか。

その漫画家は、対処に関する事で
航空会社にもクレームを入れたとあった。
鶴丸航空よ、毅然とした態度で臨め。
今後も私が、一時期働いた事を誇りに思えるように。

そして言っておこう。
赤ちゃんの泣き声がうるさいと母親に直接文句を言う。
泣くうちは飛行機に乗せるなと主張する。
航空法を改正しろとまで言う。
そんな横暴が通るような国に未来は無い。

頭を冷やせ。






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