夕方のニュースで、鶴丸航空のグランドホステスの
研修風景をやっていた。
新人を一人前にするべく、先輩たちが手取り足取り
後輩を教えていた。
中でも、マンツーマンで新人を教える先輩を
母と子に例えて「お母さん」と呼ぶのが
鶴丸航空の伝統なのだそうだ。

鶴丸CAの時代
「一期違えば虫けら同然」と言われたものだ。

機長よりも、管理職よりもこわいもの。
それが同業CAの先輩たち。
言う事を聞かないからと言って
別に体罰をされたり、ひどい目に遭ったりするわけではないけれど
それでも先輩の一言は絶対だった。
軍隊の上下関係と言えばわかるだろうか。

鶴丸を辞めてからも
その上下関係から完全に抜けられるものではない。
元鶴丸OGはおそらく全国で数万人もいるのだから。

下の息子が中学時代、同級生のお母様は
鶴丸200期後半の方だった。
私が400期代半ばだから、年数にしておよそ10年ほどの先輩。
神にも等しい存在だ。
彼女の方はそんな事をまったく気にせず
懇談会などでお会いすると、とても気さくに
「あら、コア子さん。お隣にどうぞ」などと
席を勧めて下さるのだが、悲しいかな鶴丸魂。
ガチガチに固まった私は
「ありがとうございます!
僭越ながら、お隣に座らせていただきます!!!」
入隊したばかりの二等兵同然だった得意げ

下の息子の高校野球部時代。
チームメイトのお母様は、今度は私の後輩だった。
彼女は600期台。
私の方はまったく気にせず
単に一緒に応援する父母会仲間としか思ってなかったが
卒業してから聞いたことには
やはり彼女は私の姿を目にする度に
ある種の緊張に襲われていたらしい。


そして現在。
教室は違うが、時々地区研究会でお会いする方は
何と鶴丸CA二けたの期だ。
「神話のひとけた、化石の二けた、美貌の100期
知性の200期、体力300期、向こう横丁の400期 ←私はココ
宇宙時代500期」と呼ばれた化石の時代の方。


先日、会社のパーティーでお会いした時
とても優しく
「あら、コア子さん、お久しぶり」と
輝くばかりの笑顔を向けてくださったのであるが
私は地べたにひれ伏したいと言う欲求と戦うのが
イッパイイッパイであった。

鶴丸を辞めてすでに数十年。
この呪縛から解き放たれる日は来るのであろうか。




「お母さん」?
寝言は寝て言え。




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