この仕事についたのは、本当にたまたま。

当時通っていた通信制大学の学費が足りず
卒業するまでの2年ほど、学費が稼げればいいや
それくらいの軽い気持ちだった。
せっかく採用して頂いたのに申し訳ないが
腰掛以外の何物でもなかった。

教職の訓練を受けているわけでもなく
滅茶苦茶英語が好きなわけでも、できるわけでもなく
取りあえずその日の授業の準備をして
やり過ごすだけの毎日。

それが一変したのは、仕事を始めてから一年ほど経った頃だろうか。

当時持っていた中2女子の二人はとても仲良しで
入会時期も一緒。
ところが、一人(N子ちゃん)は英語のセンスもよく理解力もあるのに
もう一人のMちゃんは完全に遊びに来ている状態。
もっともっとできるはずのN子ちゃんは、Mちゃんに気を使っているのか
Mちゃんのおしゃべりに付き合い、一緒に宿題をさぼり
授業中もしきりにMちゃんを気にして彼女より先には進みたくないのがありあり。

ある日私は、N子ちゃんを入口近くの小部屋に呼んだ。
自分にはその能力があるのに、わざと友達に合わせて進まないのは
誰のためにもならないどころか
月謝を払ってくださるご両親や、Mちゃんや
そして自分自身に対して非常に失礼な事だと力説した。
授業中に抜けて来たので
正味10分ほどの話し合いだったけど
聞いてるN子ちゃんもワンワン泣き
話している私もワンワン泣き
二人でワンワン泣きながら教室に戻った時は
その場にいた生徒全員が、どうしていいのかわからず
真っ白になっていた。

私が本当の講師になったのは
講師として採用された日ではなく
あの日だと思っている。


そして今や立派なワーキングウーマンになったN子ちゃんは
講師としての私の、一番最初の恩人だ。






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