うちの前の病院で、ドラマのロケをしていた。
(かなり立派な病院なので頻繁にロケに使われている)


朝から病院の横には、何台もワゴン車が横付けされていて
いつもは静かな町なのに、なぜかものものしい雰囲気。
結局、撮影が始まったのは夕暮れ時。

夕食を作るのを先延ばしにして
ベランダから見ていたら
男性と女性が歩道を歩いてきて
病院の玄関を入るシーン、時間にしたら
ほんの15秒くらいのシーンを
カメラテストを含めて、何度も何度も撮っていた。

その辺を歩く、犬を連れた散歩中のおじさんも
大きな窓を通して見える、病院のロビーにいる
お祖母ちゃんと孫も、おそらくエキストラさんで
ディレクターチェアに座った監督さんが何か怒鳴る度に
同じ位置に戻って、何でもない人たちなりの演技をしていた。

正直、スゴイと思った。


おそらく、作品の中では何の重要性も無い
ほんの数十秒のシーンのために
どれだけの準備が必要なのか。
十数時間前からスタッフは待機をし
撮影が始まってからは、何十人もの人々が動く。
何度も言うが、ほんの数十秒のシーンのために。

夏の受験生に告ぐ。
一瞬の本番のために、時間を捧げるのは君たちだけではない。


大人も頑張っている。

いえ、大人は頑張っている。
この炎天下で。