昔、CAをしていた時
大阪にステイすることがあると
良く、ホテル近くの梅田駅地下の
小さなお好み焼き屋さんに行った。
特においしい名物メニューも無く
本当に普通の小さな店で
おばあさんに近いオバチャンが三人で
切り盛りしているような、そんなお店だった。
でもなぜか、「今日はどこで食べようか」と悩むと
自然に足が向いてしまうような店だった。
そこのオバチャンたちが本当にもう
只者ではなかった。
店に通されると、最初にまず
アツアツのおしぼりと水が出てきて
水の入ったコップは、不思議に思うほど小さい
家で良く麦茶を飲むようなコップだった。
お好み焼きに濃いソースをじゃぶじゃぶかけて
食べ進むうちに、水も無くなっていく。
でも、無くなりきる前に、おばちゃんが来て
ピッチャーから冷たいお水をついでくれる。
最初から大きなコップに入れて生ぬるい水を飲むのではなく
オバチャンの機転で、いつも冷たいお水が飲めるのである。
もう食べられないと思うと皿をさっと片付け
もう少し食べたいと思うと、目の前にスルッとメニューが出される。
暇だったわけではない。
他のいくつものテーブルにサービスしながら
オバチャンたちは、これをやってのけるのである。
当時、接客のプロだとうぬぼれていた私は
ここのオバチャンたちから、真のプロの技を習った。
そしてその技は、今も生きている。
どの生徒にどのタイミングで何が必要かを見抜く力。
いつも全体を見回して、気を配る技。
これは、数十年前に、梅田の駅地下の
お好み焼き屋のオバチャンから習った。
彼女たちは、本物のプロだったと思う。
