二年前に卒業したA堀が遊びに来た。
まるで、真夏のサンタのように
後輩たちに配るドーナツを山ほど持って。

A堀もまた、先日遊びに来てくれたY子さん同様
4月に入って次の年の1月に卒業するまで
正味10ヶ月しか、私のもとにはいなかった。
それでもこうして、卒業して2年も経っているのに
顔を見せに来てくれる。
絆を構築するのに、時間は関係ないと言う事だろうか。


高3の6月までバドミントン部に熱中してたから
スタートは人より遅れたけど
A堀が作った単語、熟語、文法の達成度の記録は
期間別にみると、いまだに破られてはいない。
見事に私の期待に応えてくれたスゴイやつ。

なのに、第一志望の大学の試験では
緊張し過ぎて空回りし、試験場からその足で教室に寄り
「すみません!教えていただいたことを
活かせませんでした!」と私の前で頭を下げた。
君はあの時、私を責めてもよかったのだよ。

結果が出て浪人を薦めた私に、君はキッパリ
今の大学に、心から行きたいと言ったんだよね。
君は私を恨まなかった。
それどころか、感謝していると言ってくれた。
だけど私は自分自身を決して許さない。
そしてこの悔しさを、この申し訳なさを
必ず、必ず、必ず、君の後輩たちにつなげる。

A堀との時間は、確実に私の講師としての力の一部になり
今いる生徒、これから出会う生徒に
連綿と受け継がれていく。
それが私のA堀への贖罪。そして感謝の気持ち。

ドーナツ、おいしかったよニコニコ