みなさん、いかがお過ごしですか?

ルワンダはコロナの状況も少し良くなり、規制措置も少し緩和されました。営業停止時間が8時から9時に延び、レストランでは夕食もゆっくり食べられるようになった感じでしょうか。

 

さて、道普請人ルワンダ事務所は外務省のご支援を頂いて新事業に取り組んでおります。

今年は、カモニ郡、ムハンガ郡、ニャンザ郡、カロンギ郡、ギサガラ郡、フイエ郡と6郡を対象としているので、活動がぎっしりスケジュールに入っております。(これまでの3年間は1年で3郡から4郡でした。)

 

ニャンザ郡での打ち合わせ (ステップ1の様子)

 

ステップ1.事業を紹介する打ち合わせでは、郡政府の土木部長さん、土木課長さん、市民セクター調整員、社会保障課長(生活保護の為の公共事業プログラムの担当)さん、可能であれば知事か副知事にお会いし、事業の説明と段取りの共有をします。

ステップ2.その後、土木部長さんか課長さんと共に郡内をドライブし、訓練に使う状態の悪い道路を選定します。

ステップ3.ワークショップでは、打ち合わせにも参加してくれた郡政府のスタッフと、郡につき15~20に分かれている地区事務所の土木技術者全員と、事業や土のう工法について理解を深めます。地区の技術者の皆さんに最後にどんな道直しをしたいかを発表してもらいます。

 

このプロセスを繰り返していると、各郡政府のいろいろな対応を垣間見ることができて、非常に勉強になるのです。

 

例えば、ニャンザ郡です。土木部長さんが、2年前のニャマガベ郡での私たちの事業についてご存知で、「いつニャンザに来るのだろうと、ずっと待っていた」、と仰ってくれました。土のう工法の技術的なところにもとても興味を持っていただいて、熱心にメモをしたり、質問したり。本当に土木のお仕事がお好きなんだなーと伝わるような方でした。そして、課長さんや技術者さんがとても気楽に意見したり提案したりしていました(リラックスした立ち居振る舞いで関係性も良くわかります)。技術者同士で少し議論になってもニコニコとそれが終わるまで聞いて、笑顔で他の技術者にも発言を促したりしていらっしゃいました。そういえば、部長さんのお部屋は大きく窓が開け放っていて、部署のスタッフと自由に話ができるような環境でした。いろんな意見があるので訓練に利用する道路の選定には少し時間がかかっていますが、地区の技術者の土のう工法への理解と、利用計画案がとても具体的でしたので、きっと近い将来自立して土のう工法が実践されるのではないかと思いながら、ニャンザ郡地区技術者さんたちの発表を見せていただいたのでした。ちなみに、穏やかそうな知事さんは土木部長さんに「任せたよ」という感じで声をかけてほぼ参加がありませんでした。

 

 

 

カモニ郡 地区技術者 ワークショップ (ステップ3の様子) 

 

 

 

 フイエ郡 地区技術者 ワークショップ (ステップ3の様子) 

 

一方、最短時間で施工地の決まったフイエ郡は副知事さんの強力なリーダーシップがありました。

初めて郡政府を訪れ事業を紹介した際には副知事さんみずから詳細に技術的なことに関しても質問をし、その後すぐ、土木部長さん、課長さんに訓練で使う道路の個所を提案し説得していました。そしてその場でその道路箇所の地区長さんに電話をし、ご自分で運転する車に土木部長さんと課長さんと市民セクター調整員さんを乗せて、私たちを現場へ連れて行ってくれたのです。現場へ行くと既に地区長さんが私たちを出迎えてくれていました。

さらに!その足で現場近くの礫質土の採掘場へも案内してくれたのです。

後で聞いてみると、土木部長さんは土木ではなく法学部のご出身で、技術的なところはあまり明るくないということで、そういう意味でも、副知事さんの強力なリーダーシップが発揮されたのかもしれません。

 

このスタイルもまた、興味深いもので、副知事さんがすでに、施工訓練の道を延長して施工する予算を出してもいいと仰ってくれているので、私たちの事業が成果を出すには最短かも知れません。

 

他にも、知事さんや副知事さんに自由に提案する部長さん課長さんや、ひたすらフォーマルに接する部長さん、課長さん。全く意見も言わず、参加もしない課長さん。ワークショップ開始時に参加者へ注意事項をスピーチする知事さん、郡の道直しのビジョンを共有する知事さん、本当に様々です。

 

一口に郡政府といっても、中でお仕事をしているのは人ですし、いろんなスタイルがあります。人が変わればそれも変化していくことでしょう。また、時間がたてば、同じ人でも関係性や心持が変化するかもしれません。現時点で様々な反応がありますが、私たちは私たちのできる仕事をちゃんとする。もし思ったような反応が返ってこなかったら理由を考えてみる、聞いてみる。説明が足りていなかったら追加する。不足を指摘するのではなく未来を共有するよう努める。そのうえで、どこの郡も、私たちから必要なものを各自選んで得てくれるということを信じて、事業を進めたいと思います。

 

協力して何かをやっていく中で、「やってくれて当たり前」、というものはないのですから。

そこのあなた、というか私!いつも前向きに、相手に期待して依存することなく、応援と感謝の気持ちで向き合えていますか?

(幸いルワンダ事務所の面々はわりと感情が顔に出やすいので、「どうした?何か納得いかないことある?」と確認するタイミングが分かりやすいのです。そして、ちゃんと説明してくれます。とてもありがたいことです。でもいつも顔を合わせていない相手にもできてるか、というとどうかなあ)

 

いよいよ再来週から訓練です!次回は訓練についてお伝えできると思います!

 

余談ですが、私の父は現役のころ県庁職員でした。ジェネラリストですが、土木課にもいたことがあります。こちらで郡政府にお邪魔するたびに、父も若い時はこんな風にお仕事していたのかなあ、と姿が重なって職員さんみんなにエールを送りたい気持ちになるのです。