ウクライナ情勢は緊迫している。

ウクライナ侵攻を経済の面から、ロシアの損益を基準にして考察する。

まずこちらをご覧いただきたい。

故にこれを経るに五事を以てし、これを校ぶるに計を以てして、其の情を索む。
一に曰わく道、 ニに曰わく天、 三に曰わく地、 四に曰わく将、 五に曰わく法なり。

この「孫子」の部分は、当ブログで何度も記述した部分である。

ウクライナ紛争が発生した場合、その勝機は米露どちらにあるのか。

勝機については五事を以てしてその情を索め、また、それぞれの国益はどこにあるのかについては、これを校ぶるに計を以てして、検討してみたい。

露は、圧倒的な陸軍兵力によって、ウクライナを包囲している。
露軍の主力は陸軍機甲部隊だからである。

ウクライナに侵攻し、併合する事が目的であれば、核の使用は躊躇されるであろう。
使えば、戦後住めなくなってしまうからである。

衝突は規模が小さく、静かな方がコストもかからず、死傷者も少なくて済む。
イコール、急速に支持を落とす事も無くなる。
幾ら露と言えども、勝算が全く無く国民の世論を無視しての侵攻は出来ない。

併合する事が最終目的なのであれば、戦後得られる何らかの利益を見ているはずである。

今年に入って大中華は、 LPG の長期契約をした。
先物の長期契約である。

大中華は、石炭を買わない代わりに、露の LPG を契約したのである。

つまり、こういう事だ。

露の経済成長の恃み綱は「天然ガス」である。
泣いて訴える少女に触発されて先進国各国の関心事は脱炭素である。
この為、米はシエール・ガス、シエール・オイルの設備投資を絞った。

全世界的に「脱炭素」の流行で、化石燃料の使用量を減少させ、レジ袋を有料化させたり、太陽光パネルの設置を義務付けようとしたりした。

論理としては、「そのうち産業形態が変わって、日本も経済成長できるようになる日がきっとくる。」という論理である。

今回の大中華と露の天然ガス大量長期契約は、今後価格が上昇して希少価値が出て来る先物商品先行投資である。

世界のエネルギー流通は、ドルを基本にして流通している為、大中華は将来的に大量のドルを得る事が出来るだろう。
その規模は約 4 千億ドルである。

り地域程度の規模の国であれば、ゆうに 10 個以上の国で通貨を紙くずに変えるる事が出来るほどの規模である。

ロシアは、未来に生産されるであろう天然ガスで、ウクライナの戦費をドルの現金で大中華から得られた、という事になる。

今回、米が、露に対してウクライナ侵攻を画策するのであれば、経済制裁を加える、と主張している。

これは、つまり、迂回してこの大中華が、将来掘り起こされるであろうと想定される天然ガスを担保にして露にウクライナ侵攻の為の戦費を渡す、という行為を妨害しろ、と主張しているのである。

だがしかし、単純計算で 4 千億ドル規模のドル供給を絞れば、前述の通り、り地域規模の国であれば、約 10 個を IMF 送りにする事になる。

IMF 資金を出しているのも日米である。

東京のインターバンクの一日の出来高も約 3 千億ドルである。
アメリカが露に渡る戦費と見られる 4 千億ドルを破壊する為に市場をいじれば、リーマンショックの 50% ~ 60% 程度の恐慌を引き起こすだろう。

それ程の大規模の経済制裁ではない、という事になると、売電さんは何もしないのと同じ事になる。

つまり、今回プーチンさんが、習さんと会談を行っているが、これは、恐らくウクライナ戦費の皮算用である。

大中華は、この戦争でいくら儲けられるのか、という事と、プーチンさんは、大中華が幾らドルを集めて、戦費にできるであろうか、という事の皮算用を行っているのである。

指をくわえてそれを見ている売電さんは、寝言の様に、経済制裁をするぞ、とホラを吹いているのである。

一に曰わく道、 ニに曰わく天、 三に曰わく地、 四に曰わく将、 五に曰わく法なり。

これを検証してみたい。

まず、一に曰く道である。
露の社会正義は、ウクライナ近辺に勢力を持つ親露勢力の派閥である。

この派閥は、露の統治が社会正義である、と認識している。
この勢力、政治派閥は東側部分に多い。

一方米である。

華僑メディアによれば、世論調査では、ウクライナ紛争に関与する支持率は米国内で 30% 程度である。
台湾紛争への支持率は約 80% である。

どちらに道理があるのか、という点については、米露大きな差はないが、西側先進国間では、若干米に社会正義がある、と言えよう。

二に曰く天は、世論や、タイミングである。

これは完全に露に勝算がある。
冬で凍結すれば、機甲師団は軍事行動を起こしやすいのである。

世論については双方大きく差はない。
タイミングの身の観点から二に曰く…の部分は露に勝算があると言える。

次に三に曰く地、である。

露は、圧倒的な陸軍兵力を背景に、主要な国境地帯に機甲師団を配置した。
八卦の陣である。

個の陣を軍事的に突破する玉枝に、今回投入する米兵力 3 千人では、お話にならないレベルである。
米にとって軍事的に八卦の陣を突破するのは不可能である。

ベトナム戦争時、死傷者数の増加に比例して支持率が暴落した。
この事から、米国は、紛争で死者数が増えると、その数に比例して支持率が下落する、というメカニズムは既に分かっている。

売電政権は、敗北して死傷者を出せば、恐らくベトナム戦争の時の様に、支持率は大暴落し、政権崩壊につながるだろう。
撤退すれば、逃げた、という事になる。

売電政権に残された道は、戦って勝利する、以外のシナリオで、政権を維持する方法がない。

次に、四に曰く法、である。

法によって組織がまとまっているのかどうか、である。
法が機能しているのかどうか、である。

露軍は、命令系統が徹底しており、いつでも戦争開始可能である。

一方、 EU 軍は、独が、パイプラインという生命線を露に握られており、ウクライナとヨーロッパ全体の経済成長どちらが大切なのか、という事になる。

この為、 EU 諸国内で、意見が統一されて指示系統が機能するとは考えられない。
この、四に曰く…は、露に圧倒的に勝算がある。

五に曰く将、である。

露は、プーチンさんである。
米は、売電さんである。

もうろくした売電さんは駄目である。
これは、完全にプーチンさん勝利である。

確か、私は先週であっただろうか。

アメリカがウクライナの戦争で勝利するためには、パイプラインを破壊するしかない、と述べたと思う。
だが、それを本当にやれば、世界経済に大きなダメージがあろう。

経済制裁とはいえ、出来る事は殆ど無い。
パイプラインを破壊する事も出来ないだろう、と述べたと思う。

本日の報道では、売電政権は日本に天然ガスを出す事が無いのか打診して来た、という事だ。

有能な経産相が、中共の様に先を見越して先行投資の為に大量に天然ガスの長期契約をしていた、という事であれば、全く悪問題ないであろう。
経産相に任せておけば心配ない、という事になる。

太陽光パネルで電力供給は潤沢であるなら、電力価格は下落傾向に向かうはずである。
エネルギーコストも下落し、企業の国内回帰をすれば、新しい資本主義の実現となり、岸田政権は安泰であろう。

だがしかし、なけなしの日本が確保した天然ガスを供出する、という事になれば、インフレが発生せず、デフレの中で物価上昇という最悪の状態に陥る。

ここまで下落した日経平均も、更に下落するだろう。

現在、売電政権は、イラン撤退の不手際、シエールガス減産の不手際、インフレ率上昇、FRB に対する金利据え置き圧力による批判で虫のいきである。

更に今回、支持率 30% のウクライナの紛争で兵を 3 千人送ってしまった。
勝算は、パイプラインを破壊するしかない。

そして、うわ言の経済制裁を繰り返して、天然ガスを日本に泣きついて来たのである。

私がここに提案するのは、代替えとして、一定数量の水素を日本が融通する、という事だろうか。

まだ、産業として軌道に乗っていないが、これをきっかけに水素タービン発電を普及させるチャンスになるかもしれない。

日本がオーストラリアと共同でアメリカに提案すれば、イギリスも首を突っ込み、バックアップして来るだろう。

ウクライナ紛争に間に合わない可能性もあるが、水素発電普及のきっかけとなる可能性がある。

岸田政権と、経産相がこれをチャンスとして、生かす実力があるのであれば、この水素だけで数パーセントの GDP は成長するであろう。

また、株価も必ず上昇するタイミングを得られるだろう。

オミクロン政策で株価下落を見て政権を圧迫している現状で、岸田さんが実行できるのかどうか、である。
以前、安倍さんの行っていた水素エネルギー政策を進めて、欧州に水素を売り込む勝機を掴める可能性もある。

安倍さんに任せるのも方法である。

一方で、格好を付けてなけなしの天然ガスを供出し、更に電力供給量を減少させて、コストを上げて、新しい経済下落をもたらすのか。

そうなってしまえば、戦争をやって、敗北して大中華とロシアに天然ガスで儲けさせ、ドルの経済制裁も出来ない死に行く売電政権の道ズレとなってしまうのであろうか。

私は岸田さんは、売電政権の道ズレになる可能性が高いと、感じている。

予想が外れて欲しい。