EU は、低炭素へ向かってエネルギー政策を推進している。

その中で、 EU は、再生可能エネルギーのみの利用で低炭素実現は不可能であると判断した。
2022 年、 EU は、「原子力発電」をグリーン産業に位置付ける事を発表した。

あの、 CO2 フリー・コンシャスである、ヨーロッパ人が決定したのである。

EV 主体の産業となっても、自然と新しい業態が生まれ、産業が変化するので心配する必要は無い、等とのたまう某国の環境相もヨーロッパの炭素戦略を参考にすべきである。

欧州では従来より環境に関する姿勢が強行である。
過激キリスト教原理主義を彷彿とさせるのである。

踏切で一時停止をする時に車のエンジンは必ず切る、という事に我々日本人にとっては異様に見える言動を貫く。
更には馬やクジラを食肉用に食すのはかわいそうだ、と主張してみたりする。

私の近所に住んでいるヨーロッパ人は、朝、近所迷惑と考えてバス通りに出て原付のエンジンをかけて暖気運転をすると、「エンジンを切れ!!」等と怒鳴り込んでくるのである。

以前、この様な事があった。
私は仕事で、アメリカの内陸部を忙しく移動していた。

私の会社はロスアンゼルスに有った。
空港でタクシーに乗ると、運転手は地図をにらみつつ、全然違うページを開いている。

「これは、違うだろう、このページだろう。」

というと、「 OK!  OK! 」等という。
そして、おもむろにガソリンスタンドへと入り、アジア系の店主に道を聞くと、店主も道が分からない。
質問する方、される方の両方が英語が分からないのである。

ロスアンゼルスで「ここには英語の分かる人間はいるのか。」等とイラついているアホのオセアニア人や、ヨーロッパ人をよく見かける。

そのような時、私は「 Sometimes. 」と答える様にしている。

つまり、ロスアンゼルスにはそれ程外国人が多い、という事を表現した。
ロスアンゼルスでは、道を行く人の出身地はどこなのかを誰も気にしていない。

ロスで目立とうと躍起になるのは大体がヨーロッパ人かオセアニア人なのである。
そうでない人もいるが、あくまでも、そう言う人を見かける、という意味である。

彼らはアメリカに馴染もうとはしない。

だが、内陸部は違う。

口の悪い私の友人には、私が言葉に詰まると、よく「お前、アラバマ出身者の訛りでしゃべっているのか。」と言われる。

外国人が少ないのである。
この様な所では、ロスアンゼルスの様には行かない。
出来うる限り、現地と同化して、影を薄くする必要がある。

私は農産物を取り扱う仕事の性質上、アーカンサス、ノース・カロライナ、テキサス近辺の現地企業との取引する事が多かった。

仕事仲間と現地の食品工場に生産計画や品質基準、契約の件で訪れる。

私の仕事仲間は、ヨーロッパ出身者もいるし、アトランタやシカゴ、と言った都市部の会社からやはり出張して来るので、事前に皆で打ち合わせる。

あの工場長は、身の回りの従業員を全てメキシコでスカウトしてくる。
スペイン語はオレが少しわかるから任せろ。
工場長は、何というのか少々ワイルドな奴だから気を付けろ、という具合に事前情報を確認し合って、打ち合わせをするのである。

例によって、あの時も、私の仕事仲間とレンタカーを借りて現地の企業を回っていた時の事である。

この時は、イギリス出身のビルがレンタカーを運転していた。

因みに、このビルはアメリカ人の仕事仲間の間では、ゲイだ、と言われている。
本当の同性愛者であるのか、それとも、ニューホライズンの英語の教科書に出てくるような基礎的、且つ、定番のアメリカ語を話そうとしているので、オカマと間違えられているだけなのか定かではない。

確かめようとも思わないし、確かめたくもない。

車にガソリンを入れる事になって、スタンドに立ち寄る事になった。

皆、飲み物を買うという。

私は、現地の雰囲気に沿って、「 Diet coke にしてくれ。」と言った。

すると、ビルが「冗談だろう。 Coke は、 90% 以上が水で、残りはタダの砂糖だぞ。」というのである。
続けて、彼は店員に、やれ、この店には果汁のみのジュースは無いのか、と突っかかっていた。

日本なら、面倒臭い客であるが、あの時私は、確かアーカンサスだったと記憶しているが、内陸部に居たので、出来うる限り外国人の影を薄くしようと努力していた。

皆が、「んん??}という顔をしているので、私は、「あれがイギリス式だ。」と言った。
すると、皆、目を丸くしてこういうのである。

「え?彼の出身はイギリスだったのか。知らなかった。」と。
アメリカ人も分からない程にアメリカになじんでいたビルである。

アメリカに長く住んでもイギリス人は、アメリカになじんでたまるか、という何か無駄な根性を持っているヤツも多い。

アメリカに馴染もうとするヨーロッパ人は珍しい部類に入るが、それでも環境意識は譲れないものがあったのだろう。

あの面倒臭さは、ヨーロッパ人特有であって、私も「ああ、やはりイギリス人だな。」と思ったのである。

話を元に戻す。

あの環境問題で面倒臭いヨーロッパ人が言うのである。
原子力をグリーンエネルギーのリストに載せる、と。

どこかの国の元環境相が、全て再生可能エネルギーにしろ、と主張しているにもかかわらず、である。

一方でドイツは、原子力発電所を廃止する方向に動いている。
ついにドイツは 2022 年度に全ての原発を停止する事になる。

ヨーロッパ全体で言えば、再生可能エネルギーのみでは電力は不足する、という厳然たる事実がある。

フランスでは原発は建設する方向で動いているし、ドイツもフランスから電力を輸入している。
グリーンリストには原発の他、天然ガスによる発電も追加される事が検討されている。

因みに EU では、このグリーン・エネルギーのリストに記載されているものでなければ、金融機関の融資を受けられない可能性がある。
グリーン・リストに企業業績が影響をを受けるのである。

従って、安易に天然ガスと原発をリストから除外する、という訳にはいかない事情がある。

再生可能エネルギーは、電力確保が安定化しない、という側面がある。
太陽光や、風力では、安定的な電源供給が必ずしも出来ないのである。

また他方で、産業の消費を圧迫すると経済成長にも影響が出る。
そして、需要変動に対処する為の最低電源を確保する、という事もある。

その為に EU は、 LNG 火力発電による安定的電源供給の必要性を指摘した、という事になる。
また一方で、これを支える一定数量の LNG ガス供給量が必要でもある。

この天然ガス供給は、ロシアのパイプラインに依存しているドイツであるが、近年供給量が不足気味で推移している。
ロシアは、現在全般的に欧州向けの天然ガス供給を絞っている。

これは、ウクライナ経由のパイプラインに代わってロシア、ドイツ間にパイプラインを敷設し、直接供給をする政策を推進しているからである。

これに起因して天然ガスはドイツ以外のヨーロッパ諸国でも全般的に価格上昇傾向にある。

2022 年の元旦にこの政策が発表されたのは、原発に反対するドイツに配慮したのかもしれない。

2021 年秋には、ドイツ、オーストリア、デンマークなどがグリーンリストに原発を含める事に反対する共同声明を出している。
この原発の問題に関しては 2022 年早々にも EU ではもめる事になるかもしれないだろう。

今回のこの一件で、かなり強行に作成された EU のグリーン・リストに意外と簡単に原発や天然ガスが掲載された、という前例が出来た事になる。
元旦には、日本原子力気候と、三菱重工がビル・ゲイツ氏の出資する原子力ベンチャーのプロジェクトに参加するニュースが入って来た。

岸田政権が賃上げ、と企業に負担を強いる中、設備投資などに一向に対応しない口だけの「新しい資本主義」である以上、ビル・ゲイツ氏等の民間の資金力に依存せざるを得ないのであろうか。
これで益々、米中のおこぼれで生活をして、子育て支援、という様な訳の分からない社会福祉政策で、プライマリーバランスの赤字化を促進する岸田政権の本質が見える。

また、このまま海外の民間資本による設備投資は、日本企業が大中華企業の下請けになってしまうリスクをも持っている。

今年以降は、行き過ぎた脱炭素の強行姿勢を見直し、軌道修正をする年度となろう。