お客様からいただきました現場レポートをご紹介します
~・~・~・現場レポート~・~・~・~・~
φ86mmの現場の事です。
今回の現場は、地滑り地帯の調査でφ86mmオールコア、傾斜計設置、
別孔で水位観測孔の調査でした。
その山は、凝灰質の安山岩の下に泥岩があり、そこでの滑りが想定される
現場でした。
なので地下水の把握と地層境界、岩の状態の確認の為のボアホ-ルスキャン
がメインの調査でした。
地下水の把握のため、まずは清水掘りで作業しました。
凝灰質の安山岩はφ86mm掘削のため、比較的すんなり掘れたのですが、
泥岩に変わってからその日は順調に掘削で来たのですが、
次の日に泥岩すべて、孔壁崩壊していて、それ以降孔内環境は改善されず
ケーシングを挿入する事にしました。
原因はスネクタイトと言う粘土鉱物で、地滑り地帯でよくある鉱物で、
給水膨張性の高い粘土で、膨張し孔壁崩壊を起こしたのだと思います。
しかし、ボアホ-ルスキャンをする為にはケース挿入は極力控えたいので、
地層境界手前までケースを挿入し、泥水(ポリマ-)掘進に切り替えました。
不具合が起きる前はφ115mmケ-スが8.0mまで入り
地層は0~22.0mまで凝灰質安山岩、22.0m~泥岩、孔底27.0mでした。
一旦ケ-スを回収し、再挿入すると7.0mから孔曲りの為、
新しい穴になりそこから再掘進をしました。
ケ-スは19.0mまで挿入しそこから泥水掘りをしました。
泥水はイ-ジ-ドリルにCMCを添加して作泥しました。
今回勉強したのがCMCと言う泥水添加材です。
以前からCMC自体は知っていたのですが、それの使用法があまり分からず、
宝の持ち腐れをしてました。
以降、順調に38.0mまで掘削、孔壁も綺麗にスキャン出来ました。
今回の現場で泥水に詳しい方がいて、いろいろ教わりとても勉強になりました。
泥水にもいろんな種類、それによる効果の違いがある事も教わりました。
しかしデメリットは地下水把握が出来ない事です。
特に地滑り現場では、地下水による影響が主なので地下水把握が命です。
でも別孔で水観孔を掘るので、その時に清水掘りをすれば良かったかなぁ
と反省してます。
補足
φ86mmRSでは、よほど地層が悪くない限り清水掘りでいけます。
送水流量は10~15ℓ程度、回転は中~高回転、給圧はオペさんの感覚で…
N値≦10未満の未固結層ではポリマ-を使った方がいいかも…
物によりますが。
後はノーマルインプリでポリマ-を使えば高品位のコアが採れます。
以上
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「自分自身まだまだ半人前で修行中の身」といつも謙虚な姿勢が素敵
なE様 現場レポートありがとうございます。
未来のボーリング業界を担う若きホープ
これからもいろいろなお話をお聞かせ下さいませ