新しい会社に入ってまず感じたのは、「規模の大きさ」だった。

言葉は難しく、優等生的で、偏差値の高い人間たちが並んでいる。だがその実、行動に踏み出す人は少なく、自分の身を守ることを優先する人の方が多い。前職と本質的にはあまり変わらない。


ただ、規模が大きいからこそ人と人のつながりは強固で、入社歴が長い人ほどその土壌に深く根を張っている。新しく入った私のような存在は、彼らの輪に深く受け入れられることはない。むしろ「安定した土壌」に、突如としてバイオスティミュラントのように放り込まれた存在なのだ。


たとえ私が収益を20%押し上げたとしても、大きな視点からすれば彼らにとっては取るに足らないことかもしれない。そういう構造にいる。だから、冷静に考えれば、私が置かれた環境をどれほど分析し尽くしても、組織を揺るがすような行動には結びつかない。


けれども、私には「衝動」がある。

作為的に組織を変えようとは思わない。だが、自分の衝動に従って善い行いを続ければ、それは周りの人々に感染するかもしれない。比較を通じて「自分の行動はどうか」と考え始める人もいるだろう。その小さな波紋が、彼らの中に何かの芽を残すかもしれない。


だから、私がやるべきことはシンプルだ。

衝動的にやりたいと思い続けられることを、やり続けること。


その先に組織が変わろうが変わるまいが関係ない。

大切なのは、私自身が「やりたい」と感じる行為を積み重ねることだ。


やがて周囲の人や家族、仲間が「あんな人もいたな」と感覚的に思い出してくれれば、それで十分だと思う。

組織を変えるのではなく、自分の存在そのものが残す痕跡。それが、私が大企業という安定した土壌に投げ込まれた意味なのだ。