昨日予告したとおり、
10/2に書いた
『うつ病治療 常識が変わる』
のエントリについて、再度考察。
昨日、全部読み終えてみて、この書籍に対する僕の評価は大きく変わった。
全6章構成なのだが、僕はこの書籍は、第5章の存在によって全てが台無しになっているような気がする。
第5章はうつ病患者さん達の回復への道のりが書かれているのだが・・・。
(ちなみにこれはテレビでは取り上げられていない)
多剤併用処方の末、とある『減薬療法』を実践している医師にめぐり合い、そこで治療して、回復した・・・というものばかりが取り上げられている。
それぞれの患者さんの体験談は非常に貴重なものなのだが、いかんせん強烈な例ばかり取り上げられているためか、みんな『いかに薬に頼らずに乗り越えるか』という意見に偏ってしまっており、しかも体験談であるが故に非常に説得力が強く、結果として、書籍全体を通してみると、結局『薬は危険』『薬は不要』という見解になってしまっている。
前書きで
『決して抗うつ薬の効能や存在意義を否定しているわけではない』
と、強調しているにも関わらず、である。
NHKは野村総一郎教授を度々番組に呼び、また、『ツレがうつになりまして』をドラマ化するなど、うつ病治療に対しては中立的な視点でモノを見ていると思っていたのだが・・・。
(野村総一郎教授は過度の『薬物否定論』を危惧している/『ツレうつ』のツレさんはデプロメールで回復し、現在は完治)
体験談を載せるのであれば、薬で回復した人たちのことも書いて欲しかった。
それがないので、ワンサイドゲームとなってしまっており、SSRI叩きをしている週刊誌と同じレベルになってしまっている。
ここまで取材したのに、とてももったいない内容である。
というわけで、この書籍はテレビでの情報を補完する意味では、買って損は無いのだが、薬物療法で順調に回復している人は、無駄に不安になるだけなので、読む必要はないと思う。