会社の上司で、やたら熱心にうつ病を理解しようとしてくれる、大変ありがたい人がいる。
で、その人なりに色々と勉強をしているようで、こちらとしてはもう頭が上がらないというか、足を向けて寝られないと言うか・・・。
先日たまたま仕事で一緒になり、喫茶店で少し話し込んだのだが、この時は「ツレがうつになりまして」のTV版の話や、NHKでSSRIの危険性が取り上げられていたことを聞かされたのだが・・・。
やはり、うつ病と無縁の人にとっては、勉強しても知識が偏重するんだな、という印象を受けた。
その人にはすごく申し訳ないんだけど。
なんだか、とても話が噛み合わないのだ。
『人間誰しも躁の状態があるはずだから、抗うつ剤を飲み続けていて、躁状態になったとき、ものすごく危険なのでは』
というコメントが、この時一番印象に残った。
あー、中途半端に知識をつけるとそうなるよねー。
僕は一応、抗うつ剤で転躁する人は、うつ病ではなく躁うつ病なので、その場合は気分安定化薬というものを飲んで躁を抑えるんですよ、と説明していたが、それに対して
『人間の感情を薬で抑えるというのも、なんだか怖いねぇ』
という反応だった。
うーん。
一応、この人には、前に僕が作った、会社向けのうつ病対策マニュアルは渡してあるんだけどな・・・。
でも、一般人にとってはこれが限界なのだろう。
そもそもうつ病自体、はっきりと原因究明がされているわけではないし、もっと言えば精神科の世界は、対処療法が基本であり、治療に王道は無い。
無理やりアルゴリズムを作ってはいるが、あんまり上手く機能してないし。
しかもその上にうつ病が多様化している。
『新型』『非定型』という言葉をやたらと耳にするし、逆にそれらを『擬態』だとしてバッサリ切って捨てている人もいる。
『脳の傷』とか言う人までいる。
要はめちゃめちゃな状態なのである。
それを、一般人に『理解してくれ』といっても、無理だよね。
うつ病の当の本人である僕だってよく解ってないし。
なんとなく、企業内でのメンタルヘルスの知識啓蒙に、限界を感じてしまった。
しかし、この上司の『理解しよう』という姿勢はすごく重要である。
うつ病治療において、最も障害となるのは『無理解』だからだ。
だから僕も方針転換。
いきなりマニュアルを作って人事部に送ったのは、必要なことではあったけれど、順番を間違えた。
まずは上層部に『理解しよう』という意識を持ってもらう方が先だと思った。
具体的な方法は・・・今は思いつかない。
今後の検討課題である。