昨日かずたんままさんから前立腺炎についてのご質問をいただいたので、これを期にこの病気についてエントリとして書きとめておこうと思う。


まず、前立腺炎には急性と慢性があるが、僕は急性についてはよく知らないのでここでは取り上げない。

一つだけいえることは、急性は劇的に症状が重く、入院も必要だが、予後は非常によく、完治しやすい。

それしか知らない。



慢性前立腺炎は、雑菌が何かの拍子に尿道から進入して、前立腺で増殖する疾患である。

何かの拍子、というのは、たとえば子供の頃汚い手で性器をいじったとか、あるいは性行為が原因だったりとか、様々な可能性が考えられるが、基本的には原因の解明は不可能である。

なぜなら、慢性前立腺炎は、自覚症状がほとんどなく、長い年月を経てからでないとまず発見は不可能だからである。

(もちろん痛みや排尿時の違和感を訴える人もいる)


尿道から進入した雑菌がなぜ前立腺で増殖するのかというと、これは、前立腺液に糖分が豊富に含まれいて、雑菌にとって非常に居心地がいいからである。

だから、前立腺が冒されていても、膀胱や睾丸などへ転移していく可能性は非常に低い。


前立腺に雑菌が進入すると、徐々に細胞を破壊していく。

数年の歳月をかけて、それはやがて、前立腺に集中している毛細血管にまで至る。

このことで毛細血管はボロボロになるわけだが、ここまで来ても、大抵の人はなんら自覚症状がない。


自分が前立腺炎であることに気付くのは、血管がボロボロになった状態で射精したときである。

射精による圧力で血管が破れ、出血し、精液に血が混じるのである。


どんな人でも、さすがにびっくりすると思うよ。

精液に血が混じってるなんてスプラッタな状況は。


さて、治療法だが、これは非常にシンプルだ。

雑菌が原因なのだから、抗生物質や抗菌剤を投与すればいい。

だがしかし。

実はここに一つやっかいな問題がある。

薬を飲んでも、前立腺にはなかなか到達しないのだ。

だから、長期間にわたってひたすら薬を飲み続けなければならない。

期間としては3~4ヶ月だ。

それでも雑菌の根絶は難しいといわれている。

つまり完治しないのだ。

3~4ヶ月薬で雑菌を叩くだけ叩いたら、あとは漢方(基本的にはセルニルトン)で調子を整えて治療終了。

完治はしていないかもしれないが、治療し続けてもキリがないし、実は放っておいても命に関わるわけでもなく、性機能にも影響はないので、検査で雑菌が見つからない状態にまでなってしまったら、もうそこで終わりにしてしまうのである。


そして、再び精液に血が混じるようなことがあったら、再度泌尿器科へ、というわけだ。



ちなみに実は、慢性前立腺炎には「非細菌性」というものがある。

精液に血は混じっているが、いざ検査しても一切菌が検出されないのだ。

この場合、精神的問題が疑われる。

ストレスやうつが原因になることもあるらしい。

この場合は抗うつ剤や抗不安薬、漢方で対処する。

しかし、今のところ精神的問題を否定する説もあり、未知のウイルスやアレルギーが原因だとも言われており、治療法は確立されていない。



どちらにしても、慢性前立腺炎は完治が難しく、かと言ってそれほど重篤な症状も出ないため、まあ一生ぼちぼち付き合っていくような病気なのである。