僕の義父は某大手企業でメンタルヘルストレーナーなる仕事をしている。
これはどういうものかというと、社員のメンタルヘルスの管理や、うつ病で休職中の人のケア、及び復職時の支援などをするらしい。
一番重要なのは、復職を希望する社員を本当に復職させていいかを判断することなんだとか。
もちろんプロの精神科医の意見も交えて検討するわけだが、これが結構悩むらしい。
特に悩むのは休職期間が終了した社員の扱い。
休職期間が終了しても復職できなければ、すなわち即クビとなるわけだが、人情的にはそれはしたくない。
しかし、復職させて本人の為になるかといえば、むしろ逆のケースも多い。
そしてもうひとつ悩むポイントが、うつ病の社員を雇用し続けることが会社にとってプラスになるのか、という点。
これは話を聞くだけではとても非人情的に聞こえるが、営利企業である限り、たとえどんな事情があろうとも、戦力にならない社員を雇用し続けるのは、昨今の日本の経済事情から考えるととても難しいのが現実だ。
義父も、この人情と現実の板ばさみにはとても苦労しているらしい。
とはいっても、やはりここは大手企業、人情に傾くことが多い。
しかし、公務員や大企業ならまだマシだが、中小企業だとそんなことを言っていられない、というのが現実だろう。
これは別にうつ病に限った話ではないだろうが、やはりうつ病は会社からいろいろな意味で特別に扱われているような気がする。
結核やガンなら「治りました」「良かったね」で終わるが、うつ病は再発が多いし、病前と同じ環境で働かせることも難しい。
大体にして、会社側のうつに対する理解度が低いと、休職だ復職だと言ってられる状況ではなくなってしまう。
僕は今、自分の会社に、メンタルヘルスに関する理解度を高めるべく、主要幹部をメンバーにした会合を定期的に持つことを提言している。
今のところ、会社の景気がよくないので「それどころじゃない」という感じだが、いつか実現したい。
実現すれば、多分僕の経験は結構役立つんじゃないかな、と思っている。