これは昨日のお話し。
実に2年ぶり。
我が家の台所にGが出た。
あの、黒い悪魔だ。
嫁が台所をあまりにも不衛生にしていたので、コンバットを家中に撒き散らしておいたにもかかわらず、出てしまった。
しかもシンクの中に置いてあった皿のど真ん中に堂々と。
僕は最初、その存在に気が付かなかった。
Gの頭上の蛇口からコップに水を注ぎ、なんとものんきに補中益気湯を飲んでいた。
飲みながら、気が付いた。
その存在に。
思わず噴出しそうになった。
それにしても、なんとも度胸の据わったGである。
僕との距離はほんの数十センチだったにも関わらず、皿から動かない。
黙々と、皿にこびりついた"何か"を食べていた。
僕は大の昆虫嫌いなので、慌てて台所を飛び出した。
その時、なんか叫んでいたような気がするが、なんて言っていたかは忘れた。
Gは、僕にとってちょっとしたトラウマなのだ。
そして、情けないことに嫁に退治を懇願した。
情けないダンナである。
台所にいる場合、殺虫剤は使えない。
こんな時は、台所用洗剤かアルコールが有効だが、手っ取り早いのは熱湯である。
熱湯をかけると、ほぼ即死する。
しかもシンクを一切汚さない。
嫁は冷静にポットのお湯をGにかけた。
あっという間に勝負が付いた。
嫁の圧勝である。
しかし、嫁はここでダウンした。
後始末をするのは嫌だという。
顔が今にも泣き出しそうだった。
すまん、嫁。
君も頑張ってたんだね。
仕方が無いので、後始末は僕が引き受けた。
トラウマと格闘しつつ。
後処理が終わると、なんと嫁は深夜だと言うのに台所の掃除を始めた。
しかもものすごく丁寧に。
まるで生まれ変わったかのように。
よほど、今回の件はショックだったのだろう。
相当反省したようだ。
今日になって、僕が帰宅すると、台所はますます綺麗になっていた。
過去の嫁の台所に対する仕打ちを考えるとちょっと想像が付かない。
Gの出現も、アレはアレで、役には立ったらしい。