何故? どうして? が止まらない
以前のブログで、がん治療を始めた頃の気持ちを以下のように書いている。
『小学生位の男の子の声が聞こえる気がする:
抗がん剤って何?、どうして癌に効くの?
東北の地震の時、放射線を浴びると癌になるって聞いたけど、
何故癌にわざわざ放射線を照てるの?
体重50kgの小柄な人も120kgの太った人も同じ60Gyなの?
今度はその子の母親の声:
そういうことは全てお医者様にお任せして、あなたは
「先生よろしくお願いします」
と言えばいいの!
う〜む、もう寝よう』
今読み返してみても何を言いたいのか良く分からない文章だが、要するにがん宣告を受けてから、何故? どうして? という疑問、探究心がまるで小学生のように湧いて来たということである。
元々、一旦興味を抱くといろいろと調べてみることが嫌いではないタイプだが、普段の変化の少ない生活の中で、興味をそそるような事が知らず知らずと減っていた時期だったと思う。
そんな時に突然がんになり、生まれて初めての入院や、放射線や抗がん剤での治療経験で刺激を受け、探究心や好奇心が一気に活性化した。
そういうことだと思っていた。
それはそれで間違いではないと思うが、最近は別な解釈もしている。
闘うか逃げるか、生存本能が脳を超覚醒させる
最近、市街地に熊が出没したというニュースを時々耳にする。
突然、熊などの危険な野生生物に出くわすと闘争逃避(fight or flight)反応といものが起きるという。相手と闘うのか、あるいは全速で逃げ出すのかなどの判断をするより前に、脳が身体が直ぐに動けるようアドレナリンの分泌を促す。
同時に脳内にはノルアドレナリンやドーパミン等の脳内活動を活性化する物質がドバドバと分泌されて超覚醒状態(超ハイテンション状態)となる。ぼぉ〜としている場合ではないのだ。相手のちょっとした動きや物音などにも敏感に反応できるように神経を研ぎ澄まし、生き残るための方策を必死で探るように生存本能が脳全体に指令を出すのである。
現代社会では熊に出会わなくとも生命に関わるような事故、災害、病気や社会的な重大トラブル事態に遭遇した場合などでも闘争逃避反応が起こることがあるという。
私の場合は進行食道がん、それもステージⅣa。
表面的には冷静に対応して来たつもりでも無意識の生存本能は闘争逃避反応を起こし、脳を超覚醒状態に導いていたのだと思う。
2つ前のブログに自分が食道がんと分かってから3~4週間の間にとった終活行動について触れている。
遺言書の作成、断捨離など短期間に行っており、今振り返ってもその時の行動力に我ながら驚く。
これは「急がないと自分にはもう時間が無い」という気持ちからの行動だと自分では思っているのだが、その行動力も先に述べた旺盛な探究心も、その大元は闘争逃避反応によって生み出されたドーパミンやノルアドレナリンなどがエネルギー源だったのではないだろうか。本当のところは分からないが、最近になってそんな捉え方もするようになってきた。
がんサバイバーはアルツハイマー病になり難い
話は変わるが、がんサバイバー(がん患者)はアルツハイマー病やパーキンソン病などになり難い、逆にアルツハイマー病やパーキンソン病の人はがんになり難い(互いに逆相関の関係にある)という研究結果が幾つか発表されている。
ある報告では食道がんのサバイバーではアルツハイマー病になる確率が一般の人より33%も少なかったという。
健康な人からすれば悪魔の選択、どちらも避けたいと思うだろうが、がんサバイバーの私にとってはグッドニュースである。




