Gemini無料版で、これまでは有料版でしか使えなかったdeep research機能が使えるようになっていた(ただし、1ヶ月間に10回までという制限があるようだ)。

 

deep researchはネット上の情報を検索、分析してレポートにまとめてくれる機能だが、予め学習した情報だけでなく、リアルタイムに情報を検索、検索した情報を分析し更に必要と思われる情報を検索という形でレポートを作成して行くもの。

 

結果を出力するまでの間に「今は〇〇に関する情報を集めています」「〇〇についての情報を分析し、こういうことが分かりました」「次は〇〇について調べてみる予定です」などと進捗状況を示してくれるのだが、これがこまめに報告をしてくれるデキる部下のようで何となく好感が持てる。

 

下記は飲酒によるがんのリスクに関する啓発活動や予防対策について短くまとめてもらったもの。調査分析の部分はまあまあな感じだが、今後の対策などの部分はネット上の意見を寄せ集めなのでやはり弱い(意思を感じない)。

 

下記では書式や文字数の関係で図表や参考文献情報はカットしている(Googleドキュメント形式の文書はこちら)。

 

下記レポートの中に出てくる日本食道学会の啓発ポスター

 

 

以下はAI(Gemini)の出力

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飲酒によるがんに関する日本の現状:認知度、対策、今後の展望

 

1. はじめに

喫煙が様々ながんのリスクを高めることは広く知られていますが、アルコール摂取とがん発症の関連性については、一般の認知度が低い可能性があります。しかし、科学的根拠は、アルコール消費が口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、乳房、大腸、胃など、多岐にわたる部位のがんリスクを増加させることを明確に示しています。本報告書では、日本におけるアルコール誘発性がんの認知度、関連する啓発活動の現状、政府(厚生労働省)のがん予防対策、そして将来的な罹患率と死亡率を減少させるための対策について分析します。本報告書の目的は、日本におけるアルコールとがんに関する現状を評価し、より効果的な対策を策定するための基礎情報を提供することです。

 

2. 日本における飲酒による発がん性に関する認知度

日本におけるアルコールとがんの関連性に関する国民の認識は、十分とは言えない現状が示唆されています。世界的に見ると、アルコールとがんの関連性を認識している人は全体の3分の1程度に過ぎず、医療従事者の間でも一般的な認知度は低いという指摘があります 。この低い認識度は、日本においても同様の傾向にあると考えられます。例えば、18歳から25歳の女性を対象としたある研究では、飲酒が乳がんのリスクを高めることを知っている人は3分の1以下でした 。福島県いわき市で乳がん診療に携わる医師も、乳がん患者の飲酒に関する意識が低いことに驚きを表明しています 。   

 

これらの事実は、特定の年齢層や疾患を持つ人々においても、アルコールとがんの関連性についての認識が不足していることを示しています。医療従事者の間での認知度の低さは、患者への情報提供の不足につながる可能性があり、公衆衛生上の重要な課題と言えます。また、たとえ乳がんというアルコールとの関連が示唆されているがんの患者であっても、その関連性を認識していないことは、診断後の患者教育においても改善の余地があることを示唆しています。

 

さらに、少量飲酒であってもがんのリスクが上昇するという研究結果 は、一般的に認識されている「適量であれば飲酒は健康に良い」という考え方とは異なるため、この点に関する情報提供も重要です。米国での研究では、飲酒状況に関わらず、アルコールとがんの関連に関する教育はすべての人にとって有益であると結論付けられており 、これは日本においても同様の示唆を与えます。飲酒者だけでなく、非飲酒者もアルコールとがんのリスクについて理解を深めることで、より健康的な社会全体の意識向上に繋がる可能性があります。日本人では、アセトアルデヒド分解酵素の働きが弱い人の割合が高く 、飲酒による発がんリスクを考慮する上で重要な要素となります 。   

 

3. 日本におけるアルコールとがんに関する啓発活動

日本国内では、アルコールによる発がん性に関する啓発活動が、政府機関、医療団体、患者団体などによって行われています。国は、がん対策基本法に基づき、がん対策推進協議会を中心に、飲酒を含む生活習慣とがん予防に関する対策を推進しています。

 

3.1 政府主導の取り組み

厚生労働省は、がん対策推進基本計画において、飲酒を含む生活習慣の改善によるがんの一次予防を重要な課題と位置づけています。計画では、国民に対し、科学的根拠に基づいたがん予防に関する情報提供や知識の普及啓発を行うことを推進しており、その一環として、飲酒とがんのリスクに関する情報も提供されています。具体的には、「日本人のためのがん予防法」として、飲酒をする場合は節度のある飲酒をすることが推奨されています。また、生活習慣病のリスクを高める飲酒をしている者の割合の減少を目標としており、男性は1日あたり純アルコール40g以上、女性は20g以上を基準としています。

 

厚生労働省は、アルコール関連問題啓発週間においても、飲酒による健康リスクに関する情報提供を行っており 、2022年度は「女性と飲酒」をテーマに、女性特有の飲酒リスクについても啓発活動を行いました 。

 

3.2 医療・研究機関による取り組み

日本食道学会は、「アルコールと食道がんに関する啓発活動部会」を設置し、食道がんのリスクを中心に、アルコール関連がんに関する正しい情報を国民に伝える活動を行っています 。同学会は、アルコール飲料と食道がんリスクに関するポスターを作成し、医療機関への掲示や講演会での活用を推奨しています 。

 

東京大学の研究グループは、低~中等度の飲酒であってもがん全体のリスクが軽度上昇する可能性を示唆しており 、飲酒によるがん罹患リスクの啓発活動をさらに強化する必要性を提唱しています 。   

 

国立がん研究センターは、「日本人のためのがん予防法」において、飲酒とがんの関連について科学的根拠に基づいた情報を提供しています。また、多目的コホート研究(JPHC研究)を通じて、飲酒と様々ながんのリスクとの関連性を明らかにする研究を行っており 、その成果を広く国民に公開しています 。   

 

3.3 患者団体による取り組み

食道がん経験者を中心とした「飲酒と発がんリスクを考えるグループ」は、アルコールとがんのリスクについて一般的に広く認知されていない現状を変えるため、啓発活動を行っています 。このグループは、特に咽頭・食道がんに対するリスクと飲酒について啓発活動を行い、自分の体質を知った上で、ほどよいお酒との付き合いができる人を増やすことを目指しています 。具体的には、分かりやすい情報提供、定期的な検査の推奨、減酒セミナーの企画、啓発イベントの開催などを行っています 。

 

3.4 地方自治体による取り組み

大阪府は、アルコール関連問題啓発週間において、啓発動画の放映やイベントの開催など、地域住民に向けた独自の啓発活動を展開しています 。福岡県も同様に、啓発週間中に街頭啓発活動や資料配布などを行っています 。   

 

4. 厚生労働省による飲酒に起因するがんの予防への取り組み

厚生労働省は、がん対策基本法に基づき策定されたがん対策推進基本計画を中心に、飲酒に起因するがんの予防に取り組んでいます。がん対策推進基本計画では、一次予防として、喫煙、飲酒、食生活、運動などの生活習慣改善によるがんリスク低減を掲げています。

具体的には、以下の取り組みが行われています。

 

  • 科学的根拠に基づく情報提供: 国立がん研究センターが中心となり、「日本人のためのがん予防法」として、飲酒とがんの関連に関する最新の研究成果に基づいた情報を提供しています。この予防法では、飲酒は様々ながんのリスクとなるため、普段飲まない人や飲めない人は無理に飲まないこと、飲む場合は節度ある適度な飲酒(日本酒なら1日1合程度)が推奨されています。
  • 目標設定と進捗管理: 「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を超える飲酒者の減少を目標としており、その達成に向けた取り組みを推進しています。
  • 啓発活動の推進: アルコール関連問題啓発週間などを通じて、飲酒によるがんのリスクに関する国民の意識向上を図っています 。特に、女性や若年層など、ターゲットを絞った情報発信も行われています 。
  • 医療従事者への情報提供: 医療現場においても、飲酒とがんのリスクに関する知識の普及が進められています。がん対策推進協議会では、ハイリスク飲酒者に対する早期介入や、一般医療機関でのスクリーニング、減酒指導の重要性が議論されています。

 

5. 飲酒によってがんに罹患する人、死亡する人の現状

日本における飲酒に起因するがんの罹患数と死亡数は、無視できない規模です。2015年の推計では、全がん罹患の6.2%、がん死亡の6.5%が飲酒によるものであり、部位別に見ると食道がんが最も寄与率が高く、罹患の54.0%、死亡の52.3%を占めています 。

 

東京大学の研究グループの調査では、低~中等度の飲酒であっても、飲酒量が増えるにつれてがん全体の罹患リスクが上昇する可能性が示唆されています 。特に、食道がん、喉頭がん、大腸がん、乳がん、胃がんなどでリスクの上昇が確認されています 。

 

国立がん研究センターの研究では、男性において、1日平均2合以上の日本酒を飲むグループでは、時々飲むグループと比較してがん全体の発生率が有意に高いことが示されています 。また、日本人男性において、1日あたりの平均アルコール摂取量(純エタノール量)が46g以上でがん全体のリスクが40%程度、69g以上で60%程度上昇することが示されています 。   

 

女性においては、多量飲酒の習慣が閉経前の乳がんリスクを1.7倍に高めるという大規模調査の結果も報告されています 。また、飲酒は肝臓がん、大腸がん、頭頸部がんとも強い関連があり、男性の胃がん、女性の閉経前の乳がんとも関連があることが分かっています 。   

 

飲酒と喫煙の組み合わせは、特に食道がんのリスクを相乗的に高めることが明らかになっており、日本人男性の食道がんの約80%は禁煙と禁酒によって予防可能と推計されています 。   

 

6. 今後、飲酒によってがんに罹患する人、死亡する人を減らすにはどうしたら良いのか

飲酒によるがんのリスクを低減するためには、多角的な対策が必要です。

 

6.1 公衆衛生意識の向上と教育の強化

現在の低い認知度を改善するために、アルコールとがんの関連性に関する公衆衛生キャンペーンを強化する必要があります 。少量飲酒であってもがんのリスクが上昇する可能性があること 、特に日本人に多いがん(乳がん、大腸がん、胃がんなど)との関連性 を明確に伝える必要があります。タバコ対策と同様に、アルコール飲料への発がん性に関する警告表示の義務化も検討すべきです 。   

 

6.2 規制措置の検討

アルコール製品の増税、販売時間や場所の制限、広告規制の強化など、人口レベルでのアルコール消費量を削減するための政策を検討することも有効です 。特に若年層への影響を考慮し、アルコールマーケティングの規制は重要です 。   

 

6.3 医療現場での介入の強化

医療従事者が、定期的な診療の際にアルコール摂取状況とがんリスクについて患者に説明する機会を増やすべきです。特に、家族歴や遺伝的要因(ALDH2欠損など )を持つハイリスク者に対しては、より個別化されたカウンセリングが必要です。また、大腸がん検診など、アルコールがリスク因子となるがんのスクリーニングプログラムの受診を推奨することも重要です。

 

6.4 特定のターゲット層へのアプローチ

若年女性に対する乳がんリスクに関する啓発 や、遺伝的にアルコール代謝能力の低い人に対するリスク周知 など、特定のターゲット層に合わせた情報提供や介入を行うことが効果的です 。文化的な背景や個人の特性に配慮したメッセージングが求められます。   

 

7. 結論

 

本報告書の分析から、日本における飲酒によるがんの認知度は十分とは言えず、罹患数と死亡数は依然として高い水準にあることが明らかになりました。特に食道がんにおけるアルコールの影響は深刻であり、喫煙との相乗効果も無視できません。今後、飲酒によってがんに罹患する人、死亡する人を減らすためには、公衆衛生意識の向上、規制措置の検討、医療現場での介入強化、そして特定のターゲット層へのアプローチといった多角的な対策を講じる必要があります。これらの対策は、がん対策基本法に基づき、がん対策推進協議会を中心として、政府、医療機関、研究機関、患者団体、そして国民一人ひとりが連携して取り組むべき課題です。これらの努力を通じて、国民全体の健康増進とがんによる負担の軽減を目指すべきです。