先日、がん専門病院で3つの診療科を受診した。

 

上部消化管内科:  再診料 740円(3割負担で220円)

食道外科: 再診料(同一日複数受診)  370円(3割負担で110円)

麻酔科: 再診料(他科算入済)  0円

 

診察時間は各々15分程度だったと思うが、合計で330円だった。

安いのは嬉しいが、安過ぎるのはきっとどこかが歪んでいる。

 

この診察料では医師の人件費すら出るはずもないので、他の何かで利益を上げないと病院経営は継続できない。病院を維持するために必要性が低いのに利益率が高い医療が行なわれているとすれば、それはきっと患者の利益にはならない。

 

そう言えば昔、病院やクリニックが利益を上げるために不要な薬を処方しているというので、医薬分業制になった。それがどの程度医療費削減に結び付いたのかは知らないが、今や病院やクリニックの周りに調剤薬局があるのが普通の風景となっている。クリニックの中には、「うちは院内処方なのでわざわざ別な薬局に行く必要もなく、薬代も安くなる」ことをセールストークにしている所もあり、何かどうなっているのか全く分からない。

 

病院の損益を確保するもう一つの対策は、儲からない患者を診療しないことだろう。今、普段は問診と常用薬の処方しか行わないような症状が安定した慢性期の患者は病院からクリニックに逆紹介されるようになりつつある。がん患者も例外ではなく、病院やがんの種類によっては「がん地域連携パス」などの名前で普段は自宅近くのクリニックで診察を受けるように指示される。

 

これは大病院に患者が過度に集中しないための対策でもあると思うが、クリニックにとっては患者を確保する機会でもある。穿った見方をすれば、クリニックに患者を呼び込むために大病院での慢性期患者の診察料を恣意的に安く設定していると考える人もいるだろう。ちなみにクリニックで診察を受けると、恐らく再診料に外来管理加算が加わり1,250円、がん患者なら更に特定疾患管理指導量2,250円が加わり3,500円(3割負担なら1,050円?)になる(診察だけ、薬の処方は別)。

 

ふと気づくと街中にクリニックや薬局が溢れている。

 

歯科クリニックがコンビニより多いことは知っている人も多いと思うが、実は一般クリニックや調剤薬局もコンビニより多い。一般クリニックがあまり多いと感じないとしたら内科、小児科、眼科など診療科別になっているためだろう。もし、これらの一般クリニックの多くが、「かかりつけ医始めました」と言って一斉に総合診療科の看板を掲げたら、その過剰感をもっと身近に感じそうだ。

 

 

ジョブメドレーのサイトから借用して一部切り出し加工

 

 

良く分からないが、大病院の診察料は安過ぎるように思う。

検査の結果や治療方針などの重要な話はもっと高くても良いので、時間をかけて丁寧に説明して欲しいと思う。

 

 

花束みたいな「ど根性ツツジ」

青空と新緑の中で気持ち良さそうに咲き誇っていた。