「16時間の断食(ファスティング)が健康に良い」という記事を目にして、2年前に腸管穿孔で入院した時のことを思い出した。

 

食道がんで使用される抗がん剤には、副作用として腸炎や腸管穿孔を起こすものがある。ネットで医薬品添付文書を調べてみると次のような記載が見つかる。

 ドセタキセル:  腸管穿孔

 シスプラチン:  消化管穿孔

 フルオロウラシル: 重篤な腸炎

私の場合も、恐らくシスプラチンか5-FUの副作用で腸管に穴が空いて、腸炎を起こしたものだと思っている。

 

約2週間入院し、その内8日間は完全断食。水、お茶、経口補水液は許されたが、食べ物は一切禁止。栄養分は点滴で補っていたが、さすがに口が寂し過ぎるので、シュガーレスのガムとアメだけは許可してもらった。

 

その時に思ったのは、私の腸内細菌は一体どうなってしまうのだろうということ。

腸の中は空っぽで、腸内細菌の栄養源となる食べ物の残渣はいつまで経っても、一向に流れて来ないのだから、きっと絶滅の危機にさらされていたに違いない。

 

 

入院中に医師か看護師に聞いて見たかったのだが、何となく聞き難くて、その機会を失った。結果的には順調に回復し、体調も発病前と変わらない。恐らく腸内細菌も大幅に減少したであろうが、絶滅することなく生き延びたのだろう。

 

今振り返って見ると、絶食で腸内細菌が減った時こそ、腸内環境を改善する絶好の機会だと、もっと前向きに考えても良かったのかも知れない。

 

治療後には、まず乳酸菌などの善玉菌(プロバイオティクス)を積極的に摂取する。外部から投入した乳酸菌などは体内に長くは留まらないので、善玉菌のエサとなる食物繊維など(プレバイオティクス)を摂取する。その後は両者をバランス良く摂取すると(シンバイオティクス)、バランス良い腸内フローラが構成されると言う。

 

 

ところで、冒頭に触れた16時間断食などと、腸炎や腸閉塞(イレウス)の治療のために行う断食は、同じ“断食“という言葉を使うが全く別物と考えた方が良い。前者は一定時間栄養を断つことによる効果が主だが、後者では点滴などで栄養補給は行われるので、栄養断の効果は無いのでご注意を。

 

 

(追記)

今回はGoogle Geminiではなく、Microsoft Designerを使って挿絵を作って見ました。Designerは日本語で指示できるのですが、応答がチト遅い。

Designerは画像生成用なので、ブログ文章を丸ごと入力して挿絵を作成したり、文章の校正を行うのであれば、Microsoft Copilotの方が向いているようだ。