前のブログで書き忘れたことを思い出した。
日本人の健康寿命は、
「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」
という質問に「はい」と答えたら不健康、「いいえ」と答えたら健康なものとして計算される。
この質問をがん患者に行ってみる。
時間と共に生存率が低下して行くので「健康」と答える人は次第に減って行くだろうが、その減り方が治療法によって異なっていると思う。
例えば、食道がんステージⅠでは、
手術: 5年生存率86.5% (食道温存率0%)
放射線: 5年生存率87.3% (5年食道温存率80.4%)
という臨床試験(JCOG0502)の結果から治療成績は同等とされている。
しかし、この患者に健康寿命に関する上記の質問を行ったら明らかに違う結果が出るだろう。食道がんの手術(食道亜全摘、胃管再生)を受けると食事の量や食べ方、寝る時の姿勢、外出など、日常生活に影響が出ることが多いので、「不健康」と回答する人が術後直ぐから増加する。一方、放射線治療を受けた人は5年後も約8割の人が食道を温存出来るので「健康」と回答する期間がより長く、健康寿命が長くなると思う。
多くの人が望むのは、単なる“長生き”ではなく“健康で長生き”すること。
生存率だけが患者にとっての良い治療を決める指標ではない。
とまとめようと思っていたことを思い出した。
この時期に咲く皇帝ダリア、大きいものは5mを超える
小春日和を春だと勘違いしたクロッカス


