私は歯医者が大嫌い。
小学生の頃、歯医者に行ったのだが、虫歯の治療の痛みの方が虫歯の痛みの何倍も痛かった。それから歯医者は私の天敵。歯が痛む時は鎮痛剤で凌ぐ。歯医者に行けば、もっと痛い思いをするのを知っているで我慢する方がマシ。
それから半世紀あまり。一大決心をして歯の治療をすることにした。
小学生の時に作ったブリッジが流石に少しグラついて来たので治療、交換するためだが、他にも今、どうしても治しておきたい理由があった。
第1に頭頸部の放射線治療後の顎骨壊死を避けるため。
昨年、下咽頭に初期がん、中咽頭に前癌細胞(高度異形細胞)が見つかった。
今は無治療経過観察中だが、今後、再発/がん化して放射線治療を受けることになるかも知れない。その際、確率は低いが顎の骨が壊死することがある。その原因の一つが抜歯。顎骨壊死はイヤなので、時間的余裕がある今の内に治療しておきたかった。
第2に良く噛んで食べれるようにしておくため。
食道がん、今は食道を温存できているが、いつか救済手術(食道亜全摘、胃管再生手術)を受ける可能性がある。すると消化機能が落ちるので、良く噛んでゆっくり食べなければ行けなくなる。そのためには良く噛める歯が必要。そう言えば、私が早食いなのは歯が悪かったことが原因なのかも知れない。
という事で、昨年3ヶ月程程かけて抜歯3本、ブリッジ3本の大工事を終えた。
昔と違って痛みを感じることは殆ど無かった。
流石に半世紀も経つと歯科医療も進化してると感心。
ところで、歯科医院の待合室に掲げられたポスターの文言が目を引いた。
「口腔細菌で食道がんの発生リスク32.8倍」by 日本歯科医師連盟
食道がんの要因と言えば、飲酒、喫煙、熱いもの、辛いもの、あとは野菜不足。
口腔細菌が原因で食道がんになると言うのは初耳だ。
調べてみると歯周病菌の一種、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌(A.a菌)が歯垢中に見つかった場合、食道がんになるリスクが32.8倍高いという。
歯周病菌は、心臓病、糖尿病、肺炎、アルツハイマー病などいろいろな病気の要因になるという話は聞いたことがある。また、ピロリ菌が胃がんの要因とも言われているので、歯周病菌の一種であるA.a菌が食道がんの要因であってもおかしくはない。
ただ、ピロリ菌が胃がんに及ぼす影響が5倍程度、飲酒習慣が食道がんに与える影響が17.1倍程度と言われているのに対し、A.a菌の32.8倍と言うオッズ比は異様に高く感じる。
う〜ん、どうなんでしょう?
まあ、いろいろな病気を予防するためにも普段から口内ケアを心掛けましょう、ということだろう。
