ステージ0(T1a-LPM)で大きさも長径15mm程度の食道がん。

普通なら内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)等で比較的簡単に切除できるのだが、私の場合、放射線治療の後の癒着が進んでいて、ちょっと手強いらしい。内視鏡切除手術が出来るか出来ないかは、今日の診察時に分かる。

 

ところが、結果は病院に行く前に分かった。

病院の診察予定はスマホでも確認出来るようになっている。朝、念のため確認すると「入退枠 看護師面談」という見慣れぬ予定が入れられていた。入院案内や病室の調節等を看護師と行うと意味だろう。つまり、手術は出来るという事らしい。どういう手術になるのか等とあれこれ考えていても仕方ないので病院に向かう。片道約2時間の遠距離通院なり。

 

上部消化管内科の担当医から説明を受けた。

 

前回の内視鏡検査の時にリフティング(粘膜下層に生理食塩水を注入して粘膜層を持ち上げること)を試してみると言っていたが、その時の画像を見せてくれた。おお〜、ちゃんとキレイに膨らんでいる。

 

次に超音波内視鏡の画像を見せて説明してくれた。固有筋層の上に生理食塩水の塊があり、その間の境界線が少しモヤモヤした感じはあるが読み取れる。上のカバー(粘膜層)は切り取って外せそうだ。

 

要するに、ESDが可能ということ。説明はとても解り易かった。

 

今まで担当医からは、癒着が激しい、繊維化が進んでいる、内視鏡での切除は難しいかも知れないと聞いていたのだが、それは一体何だったのかとツッコミたくなるが、そこは大人の対応、私から聞くことは控える。

 

すると担当医が意外な事を言った。

原発巣に近いので再発だと判断したが、異時性の疑いがあると言う。

 

ちなみに、元のがん細胞がどこかで生き残っていて増悪増大して来たのが再発。

元のがんとは別に高度異形細胞などから新たに発生したものが多重がん。

多重がんの中でも原発臓器(私の場合は食道)とは異なる臓器に発生したのが重複がん。

同じ臓器(=食道)内に見つかった場合は多発がん。

原発のがんが見つかって1年未満で見つかった場合は同時性、1年以上なら異時性と言うらしい。

 

昨年、下咽頭に癌が見つかったが、これは最初に食道がんが見つかってから1年以上経過しており、別臓器なので異時性重複がん(または異時性多重がん)。

今回は、異時性多発がん、つまり食道に新しく発生したがんの可能性があるということである。

 

担当医は再発より異時性多発がんの方が良いというニュアンスで話していたが、私にとっては微妙。確かに新たな癌なら早期に発見すれば大事にならない可能性は高い。

 

でも、私は“まだら食道“なので、がん予備軍となる高度異形の在庫なら豊富に抱えている。

今回は上手く退治出来たとしても、またいつか異時性多発がんが現れるかも知れない。下咽頭の異時性多重の“ひとかき癌“もその内増大して来る気がするし、中咽頭の高度異形もいつかがん化してくるかも知れない。いつ、どこにがんが発生してもおかしくない体質と言う事だろう。禁煙して13年、禁酒して2年、まだまだ余震が続いている。

 

とりあえず手術の予約を入れる。食道がんの内視鏡手術だけで年間300件ほどあって、「ただいま大変混み合っています」とのこと。ともかく最短の8月中旬の予約を入れる。後からお盆期間中だと気付いたが、まあ、いいか…

 

例によって、術前の一連の検査をこなして帰る。

この病院で3回目なので慣れて来たし、今回は全身麻酔じゃないので簡易版。

過去2回はいづれも直前に手術がキャンセルとなったが、今回はどうなりますやら…