もう1年半以上前の話である。

 

食道がんの治療のため公立の総合病院で抗がん剤と放射線で治療を受けた。

最初の5泊6日の入院で体重が約9kgも減り、体力の低下も著しかった。

 

私が入院した病院では入院初日、病室に案内される前に体重測定を行ったが、入院中や退院時には一度も体重を測定していない。約9kgもの体重減少も退院後に自宅で測定して初めて気付いた。

 

その時は、がんの治療では体重減少や体力低下は普通の事だと思っていたが、今振り返ると9kgもの体重減少は普通ではない。副作用の基準(CTCAE)を見ると、顕著な体重減少で食欲不振グレード3に該当。なんらかの対応を行う必要があるレベルだったと思う。でも患者の体重変化は把握していないので病院が気付くことはない。

 

体重減少の原因は、治療の副作用で吐き気がし、食欲が無くなり、病院食も殆ど手を付けられなかったからだ。でも、与えられた病院食を完食したとしても栄養不足になっていたと思っている。

 

生命を維持するための基礎代謝量(BEE)は私の場合は約1350kcal。

これに活動係数1.2、ストレス係数1.2として必要エネルギー量を計算すると約1950kcal(化学放射線治療の場合、ストレス係数は1.3~1.5という情報もある)。

 

初回入院の時は食道に食べ物が詰まることが多かったので、病院食は5分粥と刻み食にしてもらった。5分粥だと1100~1300kcal程度らしい。だとすると、病院食を全て完食できたとしても栄養不足だったのではないか?

 

入院中、食事を片付ける人が今日は食べられましたか等と声掛けしてくれて、残食量(どの程度、食べたか/食べ残しているか)を記録していた。一体、あのデータは誰が見ていたのだろう。

 

もう今更の話です。

 

食べられるもの、食べたいものを、食べたい時に食べるべし。

そのため好きなお菓子、栄養補助食品、調味料等は自分でどんどん持ち込んだ方が良い(病院もある)というお話しでした。