私の化学放射線治療を振り返って見ると下記のようになる。
1週間目: 抗がん剤1クール目+放射線(広域)、体重9kg減
2週間目: 放射線(広域)
3週間目: 放射線(広域)
4週間目: 放射線(広域)
5週間目: 抗がん剤2クール目+放射線(広域、狭域)、体重3kg減
6週間目: 放射線(狭域)残り
7週間目:
8週間目:
9週間目: 抗がん剤3クール目、体重1kg増
10週間目:
11週目: 効果判定(造影CT、内視鏡、生検無し)
抗がん剤休止期間中(2~4週、6~8週)の記録は無いのだが、各3週間の間で体重は2~3kg程度増えていたと思う。
抗がん剤治療と言えば吐き気や食欲不振というイメージが強く、体重減少は抗がん剤の副作用と思っていた。治療が進むに従い食道の通過障害が無くなり普通に食べられるようになって来たことと、食べ方や食べ物に工夫をし、運動もなるべく行うようにして来たので体重減少幅も小さくなり、3クール目にはむしろ増加傾向に転じたのだ、と思っていた。
ところが、最近になって化学放射線治療に関する文献で以下の記述を見つけた。
「体重の変化は0Gyから40Gyまで急激に減少し、40Gyから60Gyまではやや穏やかな減少傾向を示した。体重の減少率は3.0〜11.0%、平均7.6%となった。」
あっ、これかも知れない!
私は3D-CRTという放射線治療装置で2Gy(グレイ)、30日間の計60Gyの治療を受けた。最初の40Gyは下咽頭の辺りから胃の上部までの広い範囲に照射、残りの20Gyは胸部食道の腫瘍の周辺にだけ心臓と脊椎をなるべく避ける形で斜め方向からの照射を受けた。最初の治療日程の所で広域(EFI)、狭域(IFI)とあるのはその意味だ。
体重減少は抗がん剤の影響もあるが、むしろ放射線治療の影響の方が大きいのではないか?それも広範囲に、いわゆるラージT型に照射することの影響が大きいとすると納得が行く。
放射線を広範囲に照射すると、抗がん剤の作用も相まって広範囲に炎症が起きる。それによって、炎症性サイトカインが盛んに分泌され、あちこちでタンパク質が分解される。結果的に筋肉量が減少し、体重減少に至る言う考えは、的外れだろうか?
いろいろな方々のブログ等を拝読すると、食道がんの抗がん剤治療で体重を2~3kg落とす方は多いが、私のように1週間で9kg(約14%)も体重を落とす人は稀だ。ちょっと疑問に思ってはいたが、殆どの人は術前の抗がん剤治療で、私のように放射線治療と同時に抗がん剤治療を受けている人は少ないからだ。
的外れな話かも知れないが、根治的化学放射線治療はそんなに楽な治療では無い事だけは確かだ。特に治療開始後1ヶ月間の体重減少、体力消耗が激しいので、出来れば治療開始前からなるべく食べて、体力を付けておく事をお勧めしたい。