2022年3月〜7月

 

コロナワクチン3回目を接種して2日間は何事も無し。

今回はこのまま終了、と思ったら3日目に発熱と腹痛が来た。

解熱鎮痛薬をいろいろ変えてみるが効かない。

熱は39.4度になった。右下腹部に激痛、寝たきり動けない。

発熱外来に行こうかと思ったが、痛くて行けそうに無い。

奇跡的に行けたとしても、立って並んで診察待ちはとても無理だ。

 

苦闘4日目、ようやく熱も36度台に下がり、痛みも少し軽くなったので病院へ行く。

診断は「メッケル憩室炎」。ワクチンの副反応ではなかったのだ。

胃や腸の内側に飛び出したのがポリープ、憩室は逆に外側に飛び出したもの。

メッケル憩室は胎児の頃に消えるハズの管が残ったもの。本来不要なもので、成長過程で吸収されてなくなってしまうものらしいが、大人になっても残っている人が一定数いる。

ここが炎症を起こし、穴が空いて、膿が小腸の外に漏れ出ている状態だそうだ。

CT画像で黒い丸が本来腸の中にない空気で、これで穴が空いたことが分かるとか。

いろいろ勉強になるものだ。

 

炎症反応を示すCRP値が36.29、正常上限値が0.14なので超異常値。

緊急入院を指示されたが、コロナ対応の病床を増やしたため、生憎空きベッドがない。

30分ほど近隣の病院を探してくれて、隣りの市の病院で受け入れて貰えることになった。

一旦家へ戻り、入院の準備をして、紹介された病院へ行く。

 

救急処置室で再度の診断。今度の病名は「回盲部炎」。

転院したら病巣が小腸から大腸に引っ越したようだ。

ともかく無事、入院できた。

 

そこから絶食8日。点滴栄養(+抗菌薬、鎮痛解熱薬)のみで過ごす。

口から入れて良いのは水とお茶、スポーツドリンクのみだ。

あまりに口が寂しいので、ガムと飴だけは許してしてもらった。

8日も絶食すると腸内細菌は生き延びられるのかと気になるところである。

 

CRP値が徐々に下がって来て9日目から全粥。

入院は2週間以内の原則通り、13日目に五分粥になった所で退院。

退院時の病名は「穿孔性虫垂炎」。いろいろ場所が変わる忙しい病気だ。

私なりにまとめると「右下腹部の腸管穿孔による炎症」というところだろうか。

 

退院してもCRP値がまだ高めだったので通院で経過観察を続ける。

腹部エコー検査で心臓に水が貯まっているのが偶然見つかった。

改めて心臓に特化した心エコー検査や心電図測定等を行ってもらう。

心嚢貯水が最大11mm。恐らく放射線治療の後遺症だ。

特に今すぐ問題となる状態では無いが、定期的な経過観察を薦められた。

少し激しく動くと息切れがするし、疲れ易い気もするが、冬の間の運動不足のためなのか、入院による体力低下なのか、心臓に貯まった水の影響なのか微妙なところだ。

 

定期的に経過観察ということになれば近くの病院の方が便利。

放射線治療の後遺症なら治療を受けた病院の方が良いだろうと思い、紹介状を書いて貰って再び転院。最初に憩室炎の診断を受けた病院である。

 

CT検査の後、診察してくれた循環器科の医師は、紹介元が用意してくれた心エコーなどのデータを見ることも無く「もう来なくて良いです」と言う。よほど機嫌が悪かったのかな?

「安心してください。先生の診察は二度と受けませんから」とは、口が裂けたら是非言いたい。こういう人は一度開業医になった方が良い。それでも同じような事が言えるかな?

 

これはこれで一段落したのだが、腸管穿孔で緊急入院して暫く経ってからのこと。

食道がんや頭頸部表在がんの治療にあたっている古畑ケン三郎先生のブログに「DCF後の回盲部炎」という記事を見つけた。

 

DCFはドセタキセル、シスプラチン、フルオロウラシルの抗がん剤3剤の略称。

私の場合はシスプラチンとフルオロウラシルの2剤のCF。ちょっと異なっているが、ひょっとしたら抗がん剤の副作用だったのかも知れない。

 

そう思って、現在お世話になっている食道外科の先生に聞いてみた。

抗がん剤などで治療した人の中には腸炎などを起こす人が時々いるそうだ。

 

ネットで医薬品添付文書を調べてみると抗がん剤の副作用に下記の記載があった。

 ドセタキセル:  腸管穿孔

 シスプラチン:  消化管穿孔

 フルオロウラシル: 重篤な腸炎

やはり抗がん剤の副作用で腸炎や腸管穿孔になる人はいるのだ。

 

私の場合、抗がん剤の副作用だったのかどうか確証はないが、その可能性が強いと思っている。