2021年9月

 

湾岸のがん専門病院の食道外科と消化器化学療法科でセカンドオピニオンを受ける。

 

午前中は食道外科。

 

まず、これまでの診療データを見て改めて診断してくれた。診断が今までの総合病院と違う所はリンパ節の転移の数と場所。鎖骨下リンパ節転移と胸の辺りの幾つかのリンパ節転移が消え、N4からN3に変わった。気管浸潤の疑いは、気管支浸潤の疑いに変わった。でもT4bに変わりはなく、結果として選択される治療法も同じだ。

 

救済手術か抗がん剤治療かについては、残遺が見られるので、やはり出来る時に手術した方が良いとのご意見。食道外科の先生なのである意味これは予想通りだ。

 

その後、救済手術について説明してくれた。腹腔鏡を用いた食道亜全摘、リンパ節3領域郭清、胃管再生は同じだが、胸壁前ではなく胸骨後の胃管再生だ。手術のリスクと予後は、

 

在院内死亡率 8%

 肺炎    30%

 縫合不全  10%

5年生存率   30-40%

 

在院死亡率8%ということは、救済手術のために入院した人の約12人に1人は自宅に帰ることなく亡くなるということだ。まさに命懸けのハイリスク手術だ。

 

5年生存率30-40%。食道がんステージ4の5年生存率は15~20%程度と聞くので、かなり良い数字だ。

 

セカンドオピニオンは原則30分、既に40分程経過している。

午後ならもう少し時間を取れるがとのお話があったが、「今日中に手術するかどうか決断できそうにありせん。その折りにはよろしくお願いします」とお断りした。

 

話をしながらポイントとなる部分を医師はメモ書きしていたが、最後にその紙への署名を求められた。「私はこういう内容の話をしました。私はその内容を聞きました」と言うことを記録に残すためだという。へぇ〜と感心する、なんか安心する。

 

そのメモのコピーを貰って、人生初のセカンドオピニオンを終える。

 

※ 念のために追記しておく。

上記の数字はこのがん専門病院のホームページに記載されている1988年〜2020年の統計データと根本は同じものだと思う。最近、例えばこの10年のデータで見ればもっと良い数字となるのではないかと想像している。

 

※追記

食道がん取り扱い規約 第11版(2015年)と第12版(2022年)でステージ分類の方法が違う。

第12版ではリンパ節転移はN0~N3となり、N4は無い。