抗がん剤入院治療中にしゃっくりが止まらないことがあった。

最初はさほど気にしてはいなかったが、3日も続くと流石に困った。

その頃、たまたま隣のベッドを担当していたベテランらしき看護師さんが気づいてくれて、がん患者にはたまにあることだと教えてくれた。その話の最中、丁度回診に来た主治医が聞いていて、看護師達に「皆でワッと脅かしてあげなさい」と笑えない冗談。それはともかく、芍薬甘草という漢方薬を処方してくれて、しゃっくりは止まった。

 

ちょっと調べてみると抗がん剤(特にプラチナ系抗がん剤)の副作用でしゃっくりが出るとか、抗がん剤ではなく一緒に投与される吐き気止め(制吐剤)のデキサメタゾンの副作用だとか、制吐剤でもNK1受容体拮抗薬の副作用だとかの情報が見つかる。

何だか解らないが抗がん剤治療でしゃっくりとは、“へぇー、そうなんだ“である。

 

もう一つの意外な副作用は腸炎。

抗がん剤治療終了後、半年以上経ってから腸炎で2週間近く入院した。

医師によって診断が異なっていたが、憩室炎(メッケル憩室炎)、回盲部炎、穿孔性虫垂炎のどれかである。小腸と大腸の繋ぎ目辺りで炎症を起こし、穴があいてお腹の中に膿が溜まっていたらしい(その辺りの顛末は別な機会に話す)。

 

それは治癒したのだが、暫くして食道がんのブログで有名な古畑ケン三郎先生のブログに「DCF後の回盲部炎」という話を見つけた(DCFとはドセタキセル、シスプラチン、フルオロウラシルの3種類の抗がん剤を使用した治療法。私の場合はドセタキセルは使用せず残りの2種類のCF療法だった)。今お世話になっているがん専門病院の先生に聞いてみたら、やはり抗がん剤治療で虫垂炎等を起こす患者は時々いるそうで早い人は入院中にも発症することもあるとのこと。抗がん剤というより制吐剤の副作用の可能性が高いらしい。

 

私の場合、抗がん剤や制吐剤の副作用かどうか定かでは無いが、下腹部の様子がおかしい、血液検査で炎症反応が出ている(CRP値が高い)などの場合には、医師に早めに相談した方が良いかも知れない。