2021年6月

 

生まれて初めての入院、と言っても1泊2日の検査入院なので気が楽だ。

 

前日に入院支援センターなる所でいろいろ説明を受け、またこれも初めてのPCR検査を受ける。当日は入院患者の待ち合わせ場所に行くと既に20人以上の人が待っている。毎日この位の人々が入院していることに驚いた。入院患者待ち合わせ場所から病棟毎に数人づつ引率されて行く。私のグループは5、6人だったと思う。順番に病室に案内され、私の初めての入院生活が始まる。

 

病室で落ち着いた頃、まずベッドで血圧測定と採血。

その後、放射線治療室という所に呼ばれ、治療計画用のCT撮影やマーキングが行われた。放射線の技師さんが赤や黒の油性マーカーで胸の前方や側方に線を書くのだ。この線はその後2ヵ月近く薄くなる都度何度も書き直されることになる。

 

病室に戻ると看護師さんから悲しいお知らせ。食道の造影検査が午後になったので昼食抜きだという。初めての病院食は夕食までお預けとなった。病院食への淡い期待があったのはこの時が最後。その後、現実の病院食はどの様なモノか嫌というほど経験する。

 

午後、普通の胸部レントゲン撮影と造影剤を飲んでの食道の撮影を行ったバリウムみたいな液体を少しづつ呑んで食道を通過(渋滞?)する様子を動画撮影するのだ。初日の検査はここまで。

 

夕食は五分粥と5mm刻みの野菜の何とか、煮魚、具の殆ど無い味噌汁、缶詰のフルーツだったかな。五分粥180gというはかなり大量で元気な時でも食べきれない。食物がのどにつかえることは無かったが、どれも超薄味で不味い。う〜む。

 

2日目午前は気管支鏡検査ということで朝食抜き。今度は残念とは思わない。

看護師さんから「あれ凄く苦しいんだよね。頑張ってね」と変な励まし。そう言えば昨日、入院前検査説明でも大変な検査だと脅されたっけ。

 

検査室に行くと医師や看護師など6〜7人はいたので驚く。まず血圧計とパルスオキシメーターの装着。次いで加湿器のようなものから発生する蒸気のような麻酔を吸わされ、更に噴霧器のようなもので喉に直接麻酔を吹きかけるのだが、これが苦しい。吹きかける→オェ〜、吹きかける→オェ〜の繰り返しで周りの観客も失笑気味。永遠の時間に思えたが2、3分だったのかも知れない。実際の気管支鏡の挿入や検査は咳反射も無く楽だった。気管が食道と接する入り口部分だけで、肺の奥の方までは挿入しなかったし、生検採取も行わなかったからかも知れない。

 

後日映像を見せてもらった。気管の一部が外から玉子を押し付けたように膨らんで(狭まって)いた。コイツがずっと続いている咳の原因だ。幸い赤みや変色は無く、少なくとも気管の内側まで食道がんが浸潤していることは無さそうだ。

 

昼頃に退院。気管支鏡検査が2日目なら日帰りでもこなせたよね。

翌週から抗がん剤と放射線の本格治療が始まる。