この台詞を何人のタイ人から聞いたことだろう。
「父は誰だか知らないの。」
週末、遅い時間。
いつものパブで飲んでいた。
知り合った女性とハイネッケンの瓶を重ねながら、お互いの仕事や家族や近況の話を雑談していた。
毎週末、この店で飲むのは、売上金の一部が両親のない子供たちの学校(日本でいう養護施設)に寄付されるから。あたしのようなクズの酔っ払いでも、人のためになることもある。
親はなくても子は育つ。
父親くらいいなくても何とかなるのがこの国のいいところ。
やっぱり間違っている。
この国に旅行で遊びに来る輩は所詮、遊びだし、仮想現実。
彼女たちには常に現実でしかない。
それが父親のいない子供をつくる。
いつも書くことだが、男と女の関係がどうなろうが、それはお互いの責任。とやかく言うつもりはない。
だけど子供には何の罪もない。
深夜の風俗街で裸足で花を売る少年少女たちをみると、売春という産業が生み出したこの国のダークな面から目をそむけることができなくなる。