なうで某氏に質問された件です。

なんで航空会社は格安航空券を代理店だけに流して自社で売らないのですか?

他国ではホームページで売っている航空券をエージェントでは格安航空券(nett-fare)として販売するケースが少なくありません。

タイなんかだとエージェントで買うより航空会社のホームページから買ったほうが総額で安かったりもします。


じゃなんで日本は、という話になるのですが、これは歴史的な事情と日本における旅行業界のパワーバランスによるところが大きいのが実情です。


日本の海外旅行はトラベルエージェント主導によるユニット(パッケージツアー)が主流でした。ユニットで使われる航空券はIIT/GV15のように、ちょっと特殊な航空券でした。GV15というのは、15名集めたら使える航空券です。航空会社から15席割り当ててもらい、トラベルエージェントでまとめて販売するというものです。

繁盛期はほっておいても航空券は売れるのですが、閑散期はトラベルエージェントの頑張りに依存してきたのが日本の航空業界です。航空会社の路線維持の指標のひとつにロードファクターがあります。搭乗率の低い路線は否応なしに厳しい対応を迫られます。

で、閑散期に一生懸命席を売ってくれたトラベルエージェントには、繁盛期のユニットを優先的にまわすというのが商慣習の一つでした。航空会社にとってもエージェントにとっても繁盛期に売ったほうが利益が出ますからね。

今ではGV何がしという航空券は影をひそめていますが、それでも閑散期の販売をエージェントに頼っているのが実情です。



次に日本の航空会社公示運賃が行政の認可制ということがあります。しかも販売価格の下限が長い間制限されていた。


こんなんじゃリアルタイムで安い航空券を販売したり、出発間際にタダ同然まで下げたりすることができるわけもなく、航空会社はエージェントに頼らざるおえない状況でした。




残る一つが 航空会社未定 のからくりです。格安航空券で航空会社未定というのが多々あります。あれは未定でもなんでもなく、実は最初から決まっています。ただしブランドイメージを損なうことと、安すぎる商品が存在することが知れ渡ることを避ける航空会社の事情により自社販売せず、エージェントに売ってもらっています。

横並び意識の強い日本人にとって、隣の席の人が自分の何分のいちかの金額で航空券を買っているのかと思うと気持ちがいいもんではなく、クレームにもなります。アメリカあたりは状況に応じて商品の値段がかわるのは当たり前のものとして考えられているので、こんな話は聞かないですね。

知恵のあるものが得をする

こんな当たり前のことが日本では受け入れられていないからです。


たとえば欧州行きの航空券。いくらくらいが妥当な金額だと思いますか?

あたしの基準はファーストクラスで20万円、ビジネスクラスで10万円です。これって知恵しぼって、条件整理すれば充分可能な金額です。12万円でロンドンファーストクラス往復したこともあります。

ここまでいかなくても20万円くらい出せばビジネスクラスにも手が届きます。20万円でエコノミーに乗るのは航空会社からするとカモネギです。


まぁ、そんなこんなで、キャリアもエージェントも行政もお互いの顔色うかがいながら商売しているというわけです。自由競争を阻害する日本経済の縮図ですな。

だからこそ、情報を集め、整理し、予測する(計算する)能力があると、一人優越感に浸って飛べるというコトになります。あっ、正しくは二人で優越感に浸って、、、だけど、最近は相手がいない。(落としどころはそこかいな!)