episode2🍝ナポリタン最終話
📖✏前回のつづき📖
「うん?どうした?」マスターは手を止めた
ラップに包まれた 8個の茹パスタが 調理台に 置かれているのが 静香の目に飛び込んできた
ドキドキする気持ちを 押さえて「すみません 奥さんから マスターを手伝って来て欲しいと 言われたものですから… お邪魔ですよね」
静香は マスターが 何らかの拒否反応を示すと思っていた
マスターは 静香の話しを聞いて 普通に 側に来るよう手招きした
この意外なマスターの行動に困惑したものの
静香の良さなのか?悪さなのか?
マスターに閉め出されるかもと云う思いは 数秒で消滅したのだった

そして 静香も また普通に
マスターに 質問を投げ掛けた
「パスタは 茹でて あるんですか?」マスターは 頷く
そして 「ナポリタンの麺はね 茹でて寝かしておくんだ
そうすると 凄くソースの味が絡んで 美味しくなるんだ」
マスターの声が途中から静香の母親の声と重なって聞こえてきた
静香の目から一筋の光るモノが流れ落ちた
「どうしたの?目にゴミでも入ったのかな?」
静香は 冷静さを 装い「何でもないんです それよりも手伝うって事はレシピが私にバレちゃいますよね いいんですか?」
マスターは大丈夫だと頷く
レシピ通り同じ分量の食材や調味料などで作ったからと いって同じ味のモノが出来るとは限らないと 言い切る
「さぁ~8人分だ!作るよ!材料は切ってあるから~先ず俺が作るから覚えてくれよ 小さなフライパン1個で1人分づつ作る それを2個 同時進行で作るんだ
次に しーちゃん けど 同時進行は 無理だろうから 1人分だけをお願いするね」
そう説明すると マスターは フライパンを温めてオリーブオイルを少量フライパンに 垂らす 次にピーマン 玉葱 マッシュルーム 魚肉ソーセージ を入れ炒める
塩コショウを入れ又炒める砂糖小さじ1を投入
そして茹パスタを入れたら バターを 一欠片投入 少量の水を加える
パスタがほぐれ具が馴染んだ頃に砂糖小さじ2 コンソメ小さじ1を投入後 トマトケチャップを入れる
心を込めて焼き込む そして追いケチャップで味を整える それで 完成だ

今度は静香の目から 一筋では なく 滝のように 涙が流れ落ちた
「おい‼おい‼どうしたんだよ?そんなに感動したのか?」とマスターが尋ねた
その言葉を流すかの様に
ホールから奥さんのギターと唄が聴こえてきた
♪雪が~花びらのように 落ちてきた ふるえて 積もる
はじめての 雪~ローソクに灯をつけよう~♪この夜を唄おう🎵友達同士で涙こぼそう~♪

「マスター この歌は?」
「エッ⁉歌に感動したの?実はね この歌が流れてきたら 例えば 今いるお客様の他に お客様は来てないよ~ってサインsongなんだけど いい歌だろう‼夏は 違う歌だけどね」とマスターは 教えてくれた
みんなが奥さんに この曲を教えてもらってるようだ
「で~泣き止まないとナポリタン作れないよね」とマスターは心配そうに 静香に聞いてきた
静香は 涙を拭いガスコンロの前に 立った「大丈夫です それに…」と言葉を切った
静香はレシピの手順を間違える事なく 作り はじめた
それも 二人分同時に…マスターも その事は 驚いた
そんな静香を見守りながらも 調理を すすめた
マスターが作った二人分を運び 続いて静香が作った二人分を運ぶ それを繰り返す
最後に マサと静香自身の分を自分で作りテーブルに向かった
「ねぇ~ココアの時と違って 不思議なんだけど マスターと しーちゃんが作ったナポリタンが どちらが どちらか わからないよね?同じ味なんだけど…」と紀恵が呟く
マスターは お客様に出す料理である事から 静香に気付かれない様に味見を していた
静香の作った ナポリタンはお客様に お出ししてもよい料理と感心した
「なぁ~お前 何で 泣きながら食ってるの?」マサは からかい半分 心配半分で 静香に聞いてみた
そのマサの問いを無視して静香は マスターに
「寝かせたパスタ そして ベーコンを使わずに魚肉ソーセージ ホールトマトや生トマトじゃなく まさに トマトケチャップ」と確かめる様に 話す
「オレにトマトケチャップ⁉」静香は マサを睨んだが一同爆笑😆💣✨
そんな中 マスター 奥さん 静香は 真剣だった
「私 わかったんです」
吹雪の夜に マスターが「世界で1番美味しい料理…」マスターでも一生 越えられないかも 知れない料理は…
それぞれの母親や大切な人が作る料理だ!と言った事
静香は 涙でふるえる声で でも ゆっくり 正確に言った
『母と同じ レシピでした』
高校生の頃に料理上手な母から素直に 教わったのがナポリタンだった
奥さんは 涙ながらに 話す 静香を自分に引き寄せ そして優しく 抱きしめた
「母は もう いません そして 今夜2月4日は 母の命日なんです 私ー忘れるところでした」
静香は 幼子の様に何度も しゃくりあげながら奥さんの胸の中で泣いた
そして「みんながさっき歌ってた曲…母がよくギターで弾き語りをしていた楽曲なんです」
マスターは 全てを受け止め
偶然なのか 必然なのかは わからずとも 静香の母親と自分達 夫婦の 言い知れぬ 繋りを強く感じた
「俺はね ナポリタンに いつもの様に 最後 スプーン1杯の愛を入れたんだよ
しーちゃんが作るのを見ていて また~入れ忘れたなぁって思ってね それで 気付かれない様に ちょっと味見したんだ そしたら もう 既に愛は入っていたんだよ」
みんなは息を止めてるかの様に 微動だとせずに マスターの言葉を聞いていた
「みんなは 同じ味に感じたかも 知れないけど しーちゃんのナポリタンの方が ホンの少し うん!ホンの少しだよ あたたかくて 美味しいはずだよ」と笑った
『マサにケチャップです』と マサは 泣きながら言った
😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭
「そうかぁ~スプーン1杯の愛なんだ だからSecret Baseのナポリタンは どこよりも 美味しいんだね」とタケちゃんは 最後のひと口を別れ惜しそうに口に 運んだ

「その夜ね 私達しか閉店まで来客は なかったの いつもは 沢山の人で賑わっているカフェなのよ それでもね マスターも奥さんも 素敵な土曜の夜だったて 言ってくれたの」不思議なんだけど優しい夜だったと静香はタケちゃんに話した
Secret Baseのマスターは 二人から少し離れつつ 優しく見守りながら 耳を傾けながら パソコンのモニターを見ていた
そして…
「タケちゃん ひく?コーヒー豆じゃないよ(笑)」
その言葉にタケちゃんは 何曲か ギターでインストを奏でた
タケちゃんのギターの音色は 今夜も静香の心の柔らかい処をくすぐる
その後 スマホをタケちゃんが見て「ごめん 閉店時間を過ぎてるね あっ‼ごめん 今夜は 俺だけだったね」と話す
静香は 微笑み
「タケちゃんが来てくれてよかった 素敵な土曜の夜だったよ」と云った
マスターと静香は 手を振り
タケちゃんの背中を見送った

それから…Secret Baseの 『灯り』を
そっと おとした🎵
📖✏episode 2ナポリタン終~
📖✏次回episode3
🍛ポークカレーに 続く
引き続き 読んで頂けたら
嬉しいです📖✏