episode2🍝ナポリタン ①
「今日は 土曜日だよね‼」
静香は何度も入口の扉を見つめる
びくっともしない扉
「こんな土曜の夜もあるよ」マスターは静香とは 対照的に 何の事は ないと いう様子で パソコンで作業を している
「何してるの?」
静香の少し ふて腐れたトーンの声に「耳をすませばの案内とポスターを つくってますよ‼」と おどけて 答える(耳をすませば‼とは Secret Base主催のイベント 年に2回初夏と冬に行われる お客様が主役の歌有り プチ演劇有り マジック有り 漫談etc.)
静香は そんな時期かと 時の流れを感じる
「みんな 半年も前から 練習するもんね!」
それにしても みんな どうしたのだろうか
Secret Baseを忘れて 素敵なお店で 盛り上がっているのだろうか?
そう 思わずに いられない位
カフェや音楽が出きる お店は 次々開店しては 消えて 行く…
こんな夜 静香は心が苦しくなる
いつも思う 今夜だけじゃなく明日も明後日も その次の夜も 誰ひとり Secret Baseに帰って来てくれなかったらと…
こんな淋しい夜は 勿論 はじめてでは ない その度に胸が締め付けられる
「もう一度だけ」静香は そう 言うと 店の扉の方を見つめた
その時 扉が開いた

タケちゃんだった
そして 彼は いつもの様にカウンター席に 座る
嬉しさでニコニコしている 静香に タケちゃんは「どうしたの?顔に何か付いてる? いつものナポリタンと食後にカフェオレ」
静香はニヤついてる自分に 気付き少し 焦った そして 取り繕う様に「何も付いてないよ
うーん目と鼻と口くらい~ナポリタンとカフェオレね オッケー」と言った
今夜 待ちに待った 最初の お客様に 心は 晴れた
しかも タケちゃん しかもナポリタン しかも2オーダー
もう 誰も来なくても いいよ
くらいの 心もち だった
ナポリタンが出来上がるまで 会話を楽しんだ
本来はお客様を楽しませるのが 静香の使命なのだが…

事…タケちゃんとの会話は
静香の方が楽しませて 頂いてる感は否めない
「はい❗ナポリタン できたよ‼」
マスターからナポリタンを受け取り タケちゃんの前に置いた
「お待たせしました どうぞ」と なるはずが 今夜は 静香の いつものセリフが終わらない内に タケちゃんは ナポリタンを頬張る

「美味しいね❗ねぇ~しーちゃん‼ナポリタンって美味しいよね でも 特にSecret Baseのナポリタンは 美味しいね❗俺が今まで食べたナポリタンの中で1番 ウマイ!何でだろう⁉」
静香は「聞きたい?美味しいの秘訣!」と タケちゃんに言う
タケちゃんは 興味津々の様子で
「聞きたい~何かあるんだね 美味しいの秘訣が…」と静香の顔を穴が開くほど 見つめた
そのタケちゃんの目は これから冒険に出る少年のようだと 静香は 思った
だから タケちゃんには そっと 教えて上げる
秘密基地のナポリタンの
『美味しいの秘訣』
📖✏次回に つづく✏