これは、私の職場の友人が、まだ小学生だった頃に体験した話を聞いたものです。
彼、仮にNくんとしておきましょう。
Nくんは、小学生の頃は、ある町外れに住んでいました。
家の周囲は、見渡す限り田んぼばかりだったそうです。
ある夏の夜のこと。
寝床に入る前、庭先から田んぼをふと見てみると、Nくんが目にした光景は、家から少し離れた先の田んぼのなかほどに、白いもやらしきものが、漂っていたそうです。
そのもやは、ぼんやりと光っていて、その中から、何か、規則正しい不思議な音が聞こえていたそうです。
Nくんは、その時、「もしかしたらUFOかなにかでは。」と、好奇心に駆られたらしく、しばし、この不思議な光景に目を奪われていました。
が、なにか、怖さを感じ取り、その夜は早く寝たそうです。
その翌日の夜も、Nくんがふと、外を見ると、昨夜と同じ光景が、起きていました。
ただ、その光景は昨夜より確実に、Nくんの家に近づいていることに、Nくんは気がつきました。
その何かから出ている白いもやは、時間が経つほど、確実に周囲に拡がり漂っていました。
とうとうNくんは、好奇心に勝てず、白いもやが漂う夜の田んぼに、出ていってしまったそうです。
近づいて行くと、不思議な音が、聴こえて来ました。
それは、タタタタタという、やはり規則正しい音。
その音が、聞こえるあたりが、また、一段と濃い白いもやに包まれていて、なにも見えなかったそうです。
それでもNくんは、少しずつ少しずつ近づいていったそうです。
やがて、近づいていったNくんは、白いもやの中にあるものに、ハッと気がつき、急いでその場から、一目散に逃げ去りました。
Nくんは、この「白いもや」が一体なにか、そして、音を出しているものの正体がわかったのです。
Nくんは、すぐに「ここは、やばい」と感じて、その場から離れたそうです。
夜にしか姿を見せないその白い霧と音を出す物の正体。
実は、
農薬と農薬散布の機械の音でした。