碇を下ろして根を下ろすこと、動き続けること | Core Infinity Views

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『原点』を一緒に創るコーチ 若狭 喜弘 の視点を記します。

> 「根を下ろす」というのは、下からの声を聞き取り続けることで、そのためには舟底をものすごく薄くしておかなければならない。
> 中沢新一
 (折々のことば 選・鷲田清一)

> 一つ所に逗留(とうりゅう)していると、しがらみに絡まれ水底からの声が聞こえなくなる。だから「根っこを引きずりながら動いていく」漂泊の感覚が大事なのだと。
 (リンク先より引用:別の個所)


2つの言葉を合わせて読むと、逆のことを言っているように思える。
「根を下ろす」には、「1か所にとどまることを望んでその場にずっといる」というニュアンスを感じる。

前者は、「根を下ろす」ことの必要性が言葉の背景にある。
だからその時には、
下の声を聴くために、船底を薄くしなければならない。

一方で後者は、
下の声を聴くために、
1か所にとどまらず、
根っこを引きずりながら動き続ける必要がある。

これらをものに例えると、
前者は、熱帯のサンゴ礁の海に出て、碇を下ろしてガラスになっている船底を覗いている風景が浮かんできた。
後者は、ターンテーブル(レコードプレーヤー)のレコードの針。
最終的な目的は、下からの声を聴き続けること。
碇を下ろして根を下ろすのと、動き続けることの、どちらを勧めているのだろうか?