> テクストの外などというものは存在しない
> ジャック・デリダ
(折々のことば 選・鷲田清一)
おもしろい視点。
よく理解しないと迷子になる。
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ジャック・デリダいわく、
「テクスト」とは、見聞きした人がほかの人に伝えるために物語にしたもののこと。
人が見聞きしたものは、伝えるために必ず物語にされる。
物語になっていないものは、人に見聞きされていない。
したがって、物語(テクスト)になっていない事実はない。
ただし、伝えるときにスルーされる事実もある。
それは、ほかの物語からスルーされた欠損を浮き彫りにするしかない。
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「すべてが物語にされる」
公式文書に限らず、噂話になるのも「物語」。
すべてがテクストになっている。
かなりの楽観論で、人の認識能力に絶対の信頼を置いた言葉。
でも哲学は、ことばにしたものしか扱えない。
ことばにしていないことは、「議論」「探求」できない。
こんな、技術的背景を持つことを言いたかったのかも。