去年末の投稿で、アメリカの経済学者ダン・アリエリーと、イギリスの名門LSE(ロンドンスクール・オブ・エコノミクス)のリサーチにより、単純作業においては金銭的なインセンティブは人のパフォーマンスを高めるが、問題解決能力などが求められるようなクリエイティブなタスクにおいては、金銭的報酬は成績を低めるという結果が出た事を書きました。
では、金銭的な報酬以外にモチベーションをあげ、結果を出す方法とは??
その一つは「自主性」です。
つまり、面白いからやる、やりたいからやる、好きだからやるということです。
でも、それで本当に結果が出るのでしょうか?
もっと言えば、それで本当に食べていけるのでしょうか??笑
大学時代、私はこのモチベーションに関するリサーチを行っていたことがあります。そこで、とても面白い気付きがありましたので、今回はちょっと一石を投じてみたいと思います。
例えば、オーストラリアにAtlassianというソフトウェア会社がありますが、ここでは一年に何度か、「これから24時間、仕事以外で好きなことを何でもやれ」という時間を設けています。彼らはこれを「Fedex Day」と呼びますが、それはこの一日でエンジニアは何かしらの結果を会社に送り届けなければいけないからです。そして実際、この期間の自主活動の中で産まれた技術が会社を支えるプロダクトを生み出しているのです。
有名な例として、Google社も「20%の時間」を設けており、社員に仕事時間の20%を何でも好きなことに使う事ができるようにしています。そして実際、Gmail、Orkut、Google Newsなどの素晴らしいサービスは、この20%の時間から産まれています。
更に過激な例として、アメリカの2名のコンサルタントによって考案されたROWE(Results Only Work Environment)つまり「完全結果志向の職場環境」というモデルがあります。この環境においては、社員が好きな時に出社・帰宅でき、特定の時間に会社に居なくてもよく、ただ仕事を成し遂げればよいだけです。どのようにやろうと、いつやろうと、どこでやろうと構いません。そして、ほとんどの場合生産性は上がり、雇用期間は長くなり、社員満足度は上がり、離職率は低下しているのです。
Microsoftが90年代半ばに、プロのライターなどを雇って、多くの資金と時間を投資して作ったMSNエンカルタという総合大百科がありました。その何年か後に、楽しみでやる、一セント、一ユーロ、一円も払われないという全くべつのモデルで登場した百科事典Wikipediaが登場し、結果そちらが勝利しています。
これからの時代は、個が活躍していく時代。
その中で、他者と異なる独創性やオリジナリティを表現していくことが求められます。
そして、そのためのモチベーションの一つとなるのは、もはや従来のアメとムチ的な金銭報酬型ではなく、自主性、つまり「やりたいからやる」というモチベーションなのです。
その動機付けこそが人生を豊かにし、これからの社会をシフトしていく推進力になるのだと思います。
・・・長文読んで下さり、ありがとうございます^^

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