中学1年生のときの授業に「美術」があった。

そして夏休みにその美術の授業から宿題がだされた。

内容は表紙も中のページもまっさらで何も書かれていない白い本に

自分で絵を描いてオリジナルの絵本を作るというものだった。

テーマは自由。

自分オリジナルの話でもいいし、実在する漫画や絵本を模写してもいい。

週末に実家いったら、そのときオレが描いた本がでてきた。

懐かしい。

タイトルは『デーモンクエスト』

昔からモンスターが好きだったのと、当時ドラクエが流行っていたこともあり、悪魔を倒しに

ゆくオリジナルの話にした。ゲーム「魔界村」の影響も多少あったかもしれない。

タイトルはいろいろ考えたんだけど、どうしても良いものが思いつかなかったので子供ながらに

安直だなあと思いつつ、ドラゴンクエストを文字ったこれにした。

ちなみに男子の同級生の多くは少年ジャンプからドラゴンボールを書き写したものを

描いていたが、最初はウキウキしていたものの、やっているうちに表紙だけでもう

面倒くさくなったようで、中身は幼稚園児の落書きのような手抜きの局地の画になっていた。

宿題内容は同じなので他クラスの幼馴染の家で一緒にこの宿題をやっていた日が

あったのだが、真面目な幼馴染は「カブトムシの一生」という本を画がいていて

大人だなあと感心したのをおぼえている。画もとても上手だった。

幼稚なオレのほうは、ある国の勇者が友人の家に行く途中、昼寝をしていたら

悪魔に大事な巻物をとられてしまい、それを奪還しにゆくという、まさに子供が考えた

違和感ありありのスタートである。遊びにゆくのに鎧をきて出掛ける者などいない。

勇者や悪魔のデザインはオリジナル。

※途中省略

敵軍団が住む塔。

当時、ドラゴンボールで悟空がレッドリボン軍と戦っている編だったので、それに

影響を受け、塔のデザインはドラゴンボールに登場したレッドリボン軍のマッスルタワー。

塔の一階からラスボスが待つ上階まで突撃する勇者。

悪魔が敵の設定のハズが、なぜか敵が兵士で場所も軍隊風。

このあたりが子供だけに世界観がまったく統一していない（笑）

兵士の画は鳥山明に影響を受けている。

ラスボスのハモンド。

ハモンドという名前の由来は当時、南海ホークスだったかどこかにいた

助っ人外国人の名前より。

ちなみに表紙の青いドラゴンはこのハモンドが威嚇するために化けた姿。

厳密にいえば、表紙のドラゴンを何度も描くのがオレもちょっと面倒くさくなった。

最後はラスボスのハモンドを倒し、無事に巻物を奪い返すことに成功。

勇者は塔をあとにして、ふたたび友人の家を目指す。

ラスト。

敵を倒し、巻物をとりかえしたものの、友人の家に向かう途中不覚にも足元に

気をつけなかった勇者は、肥溜めに落ちて死んでしまう、というシュールなオチ。

夏休み明け、美術の先生に見せたとき、笑いながら「汚いなァ」といわれたのを

おぼえている。

小ネタとして、右はじにファミコンゲーム「ポートピア連続殺人事件」のヤスとボスがいて

「ボス！誰かが死んでいます！」「急げヤス！」

といっている。

中１とはいえ、しょうもない。

昔から画を描いたりしてもこういう小ネタ的なものを挿入するのが好きだった。

こういう絵本づくりとかって、好きか嫌いかにわかれると思う。

張り切って楽しんで作業している人間もいたし、絵本を作るなんて面倒くさいといって

やらなかった人間もいた。

オレはけっこう好きなほうだったけれど、今考えても、やはり友人が作っていた

「カブトムシの一生」のような大人っぽい絵本を作りたかったなあと感じる。

ただ、今はその意気込みを小説執筆にぶつけるか。

以上。

身近な友人数人から、小説や音楽紹介じゃなく、もっと日記的な記事が

読みたいという声があったので、今回は身近なネタにしてみた。

※この記事はタイマー更新です

中１のときの夏休みの宿題