「ごめん、同級会にはいけません」――

最近はあまり目にしなくなったが、どっかの建設会社がテレビで

流していたアニメーションＣＭの中のセリフ。

ある学校の同窓会が開かれているのだが、クラスのひとりが

海外のシンガポールに赴任をしてそこで仕事をしているため

せっかくの同窓会には参加できない旨をＬＩＮＥで伝えるというストーリー。

人の数だけ考え方があるんだろうから、オレが正常だとかいうつもり

もないし異論の人たちと論争する気もまったくないが、個人的なことを

いわせてもらえば大大大嫌いだな、あのＣＭは。

前向きっぽく明るいＢＧＭで演出されているけれど、オレとしてはどの角度から

見ても、自分のプライベートな時間や楽しみを削ってまで働くという状況を美化している

洗脳ストーリーにしか目に映らない。

しかもあのＣＭで働いているシンガポールの女性は、世間一般でみれば

‘やりたい仕事’あるいは‘やりがいのある立場’というごく稀な存在である。

これがたとえば、派遣の単純作業とか、うさん臭い探偵業の尾行業務だとか、

風俗業における客のもてなし忙しいので同級会に参加できないとかいう設定だとしたら、

果たして視聴者に同じ温度の感動で伝わるだろうかと疑問だ。

働くことは立派だとしても、「仕事でゆけない」のひとことでいいではないか。

わざわざ「今シンガポールにいます」と伝えるのは、大きな仕事を任されている

ことの遠回しな自慢か？？　やりたくない安月給の汚い危険な仕事やらされている

同級生がメッセージ読んだらきっと不快だぞ、こら。

一度書いておきたいと思った内容のＣＭだからこの場を借りて書かせてもらったが、

とりあえず、ここ最近の自粛だとかテレワークだとか聞いていると仕事というものに

おける価値観やあり方についてぼそぼそと考えてしまう日々である。

国は極力仕事は在宅でとかいっているが、現場にでないとできない仕事を

している人だってたくさんいる。

サービス業の方々、販売業の方々、そして職人さん……などなど。

緊急事態宣言期間において各企業がオフィスを閉めているため、メンテナンスや

修理、内装を仕事とする職人さんも出番が激減し、仕事が少なくなるのかと

思いきや、逆に「オフィスに誰もいない今のうちに(補修や内装を)やってくれ」という

依頼も多く、結局±ゼロらしい。

自粛して人がこなくなった場所があるぶんだけ、それに合わせて仕事をしに

出掛けないといけない人がいるんだなあと改めてしった。

外にでるなとか仕事は家でとかいわれても、天井から雨漏りする家があれば

そこへ修理に出掛けないといけない人もいるのである。

仕事にゆかなければならない以上、昼食だって現場かその付近でしっかり摂らないといけない。

そのためには現場で働く人たちが食事をとれる店が営業していないとだめなのだ。

先週土曜日にまた同級生の仕事を手伝いにいっていた。

そこで昼に入った店の紹介。

あえて‘自粛記事’にせず、堂々と食べにいったことを記事として書くのは

そういう現実と過程をしってもらうため。

というか食べないとこちらも仕事する力でないのだ。

すべての人や店が完全に自粛したら、それこそ社会も経済も回らなくなって

しまうのである。

店はこちら。

仕事の現場のすぐ近くだった。

(ちなみに近くにコンビニなどはなかったと思う)

『魚と豚と黒三兵』

東京都新宿区西新宿４－１６－３

※訪問時より短縮営業か休業の可能性もあり。

現場までは同級生の車でいったからくわしくは不明だがネットによれば

最寄り駅は西新宿5丁目。

路地裏の住宅街でけっこうわかりにくい立地ではある。

先客はひとくみ。

同じくどこかの現場で働いている職人さん数人。

飲食店がすべて休業されると、同級生やこのときの手伝いで現場にきていた

オレのような人間が食べる場所がなくて困るのだ。

なので、短縮でもちらほら営業してくれている飲食店があると助かる。

こういう裏面、現状をしってもらいたく今回は緊急事態宣言期間中であるが

記事をアップしたのだ。

友人が先に入ってくれたのだが、飛沫感染の危険を考えて対面のテーブルに

せずカウンターに席をとってくれた。さすが細かいところに気がつく。

ところで、この店。

店名が個性的だけに本当にたまたま偶然なのだがすこし前になにかの

テレビ番組でロケで来ていたのを見た気がした。

店内になにかヒントになるものがないかと見回してみたら、壁にパンサー向井

のサイン色紙が貼ってあった。

日付を見ると、2020年3月末。

隅には「王様のブランチ」と書いてある。

土曜日だから観ていた可能性はあるが、果たしてこれだったか記憶がさだかでない。

まあいいか。

昼の部のメインメニューは3種。

魚つけ麺も食べてみたかったのだけど、つけ麺は時間がかかりそうだった

ので、先に頼んだ友人と同じものを。

「魚豚骨ラーメン」　850円

気になる白い刻みモノが入っているが……よければいいか(汗)

豚骨だけに麺は細麺。

スルスルと入る。

魚介と豚骨のバランスはちょうどよく、どちらかが特に勝っているという

印象はなかった。

ガッツリ系というよりかは丁寧系のラーメンかもしれないが美味かった。

自粛期間中、わざわざグルメのためだけに外出することは控えるが、それでも

仕事や用事などで出掛けないといけない場合に立ち寄った店とかのデータは記事にするかも

しれない方針でしばらくの間すすめてゆきたい。