料理や本や映画の好みと一緒で、お笑いの路線にもそれぞれその人のハマる好み
がある。
だから決してオレの感覚が正しいなどというつもりはないし、だったらおまえが舞台に立って
やってみろといわれたら、それはできませんというしかないのだが、あくまでいち視聴者という
視点で書かせてもらうと、毎年ほぼ観ていた「キング・オブ・コ○ト」を今年は観なかった。
理由のひとつとして、たしかウラで出川哲朗の充電旅だっただろうか?
なにか観たい番組があってそちらを優先していたというのもある。
ただ、もうひとつ。
放送日前の番組告知などでファイナリストの顔ぶれを観た時点で、
「ああ、今年は観なくてもいいかな」
と思ってしまったのである。
と、いうのもオレが思いきり好きじゃないコンビがそのファイナリストの中にいたのだ。
選考方法はしらないし、ファンと呼ばれる人もそれなりにいるのは事実だから
人気はあるのだろうけれど、オレ個人としては芸風もキャラもどうしても受け入れられないし
面白さがわからない。
ちなみにオレの周囲でも面白いと評価している人間はいない。
ここ数年のキング・オブ・コ○トのファイナリストに選ばれるコンビ、トリオって、芸風が悪い
意味でどこか共通してしまっている感がある。
数年前にリズム芸するグループがやけに多かったように。
リズム芸自体それはそれであっていいのだが、ひとつの大会でそればかりになると
大会全体の色が偏るような気がするのだ。
視聴者としてはもっといろんなタイプの芸人を観たいのに。
そんな風潮をふまえて、今年のキング・オブ・コ○トも、オレが好きじゃないその芸人
がいるところからして、それに近い芸風の芸人ばかり集まっているんじゃないかと
思うこともあり、スルーした。
厳密にいうと、ちらっとだけザッピングして観はした。
お笑いコンビ、ニューヨークがどんなネタをするかだけ気になったので。
披露宴ネタのようなことをやっていて、それはそれで高得点をたたき出したようだが
オレはニューヨークはもっともっと面白いネタを持っていると思った。
(披露宴ネタ、個人的にはあまり……だった)
それと結果発表も。
案の定、放送前の雰囲気からなんとなく予感はしていたが松本人志も数年前に別番組にて
今いちばん面白いと思うコンビとして名前を挙げていたこともあり、さきほど記述したオレの
嫌いなそのコンビが優勝していた……。
youtubeで追ってどんなネタをやっていたのか観たが、やはりオレの好みには
あわない笑いだった。でも優勝。
今、テレビでお笑い賞レースはたくさんあるけれど、キング・オブ・コ○トに
おいてはその審査方法が独特だ。
(今はご時世的に入れられないが)観客、視聴者投票とかではなく、
松本人志、さまぁ~ずの二人、バナナマンの二人、の計5人が入れる得点で点数が
決まる。
松本のお笑い界ではすごい人だと思うし、さまぁ~ずも、バナナマンも好きだけれど
やはりプロ中のプロなので、一般の広い人々の心をつかむ笑いより、玄人好みの笑いを届ける
グループが高得点をたたき出す結果になってしまう傾向があるような気がしてしまう。
いいかえれば、大衆のツボにハマらなくとも、その5人のツボさえ、おさえてしまえば
もう勝ちなのである。
前回優勝した、どぶろっくも面白かったし好きだったけれど、下ネタで5人の心を
つかんだ部分も多少はあったと思う。
あれが視聴者投票だったら果たして優勝していたかわからない。
うーむ、でもまあ、視聴者投票や客席投票にしても、やはり実際そのとき面白かった
芸人よりも、たとえつまらなかったとしても自分が好きで贔屓にしている芸人に票を
入れたりする人がいるから、賞レースの得点方式っていうのは本当に難しいものである。
ちなみに……
テレ朝が、「M-1グランプリ」、フジが、「R-1ぐらんぷり」
そして比較的あとになってTBSが「キング・オブ・コ○ト」を放送開始した。
それからかなりあとになって日テレが女芸人ナンバー1を決める「THE・W(ダブリュー)」
を放送しだしたが、この企画、4匹目のドジョウ狙い感がなんとも強い。
他局で、漫才師、ピン芸人、コント師のナンバー1を決める番組が当たったものだがら
そこをついてまだどの局もやっていないジャンルを探ったところ「女芸人」というくくりに
目をつけたんだろうなと感じる。
これで民放では、日テレ、TBS、フジ、テレ朝が揃って自社でお笑いにおける賞レースの
看板番組を持ったことになるが、あとは果たしてテレビ東京が動くかどうか。
ただ、動いたとしても、もうかぶらないジャンルがないかもしれない。