昭和40年、50年代生まれの人なら、かろうじて思いだす人
あるいは所持していた人がいると思い書くが、ずっと昔に
「くるくるてれび」というおもちゃがあったのをご存じだろうか?
細かい説明が難しいので、
参考までにメルカリのページをリンクする。→「くるくるてれび画像」
画像にあるように片手でもち、本体にフィルムをはめて引き金を
ひくとフィルムが回転して動画が流れ、それの映像を片目でのぞくように観るという
おもちゃだ。
音声も流れず、今でこそシンプルなおもちゃだが、当時の子供にとっては画期的だった。
幼稚園だか小学校1年くらいのときに発売されて買ってもらったことが
ある。
フィルムには当時放送されていたアニメや特撮モノがいくつかあり、
本体を買ってもらったとき、セットで一緒に買ってもらったフィルムがふたつあった。
ひとつが「ウルトラマン」。
そしてもうひとつが「銀河鉄道999」である。
ふたつとも大好きな番組だったので、同じフィルムを何度も観たものだ。
「銀河鉄道999」にかんしては、どういうエピソードがあったとか詳しくおぼえて
いないのだが、子供のころその世界観が大好きで、絵本も買ってもらったりした。
何度も読んだのでサブタイトルだけはおぼえている。たしか「ミーくんの命の館」。
そうそう、今、日曜の深夜23時にTVK(3CH.テレビ神奈川)で、銀河鉄道999が
再放送しているのだ。
すこし前まではその時間帯でエヴァンゲリオンの再放送がやっていて、エヴァが
終ってから同時間帯ではじまったらしい。
最初気づかなくて観ていなかった。
(BSやローカルはテレビ欄あまり気にしないので気づかないことが多い)
再放送に気づいてからはだいたい観ているので、その流れで原作もなんとなく読んでみたい
と思い、先日立川のまんがぱーくにいったとき、ブラックジャックを読んだあと、数巻だけ
読んだ。
子供もころのアニメーションにかんしても、1話から観ていたわけではないので、鉄郎とメーテル
が999に乗り込むまでのプロローグがこんな流れだったのかと、この年齢になって改めて
しることができた。
そして各エピソードの最後に道徳的なナレーションセリフがコマに書かれているのだが
アニメの999はそこも原作に忠実に沿っているのだなと感動した。
ちなみに「銀河鉄道999」におけるその想いは約9年前、まだブログをはじめて間もない
ころに一度‘アニメ’のテーマのほうで書いている。
当時の記事 → 2011年12月14日 『銀河鉄道999の夜』
書くことが過去記事と一部重複するが、子供のころ観たアニメはオトナになってから
もう1度観たほうがいい。
まったく同じ映像なのに、大人になって再びみると、それはまったく違う世界観の
作品になっている可能性が高いのだ。
たとえばそれが『機動戦士ガンダム』だったら、子供時代には「ロボットアニメ」だったのが
オトナになってみたら「戦争と人間のドラマ」になっていたり、『ゲゲゲの鬼太郎』だったら
『良い妖怪と悪い妖怪が戦うアニメ』だったのが「人間による環境破壊で迫害された存在の悲劇」
だったりと変化してるわけである。
つまり子供の心ではエンタメだった作品がオトナの心で観るとドラマになっているのである。
銀河鉄道999も観る側の成長に伴い変化する作品のひとつ。
小さいときは空を飛び、宇宙を走る汽車が登場するエンタメだったのに、ある程度成長してから
観ると、それは1話1話、格差や環境の問題、ひろく言えば道徳が詰まった箱のような作品なのである。
この前、テレビの再放送のほうでは「不定形惑星ヌルーバ」というエピソードをやっていたが、
芸能界でも一般世間でも自殺者が目立ってきている今日このごろにはまさにタイムリーな道徳観、
社会観の1話だった。
「機動戦士ガンダム」「ゲゲゲの鬼太郎」「銀河鉄道999」
この3作にかんして、子供のころ1度観たきりだという人にはぜひオトナになった今もう一度
観てみることを強くすすめたい。
ちなみに日曜23時の「銀河鉄道999」が放送した直後、同じチャンネルで「機動戦士ガンダム」
の再放送がやっているので、セットで今のオレの数少ない楽しみのひとつである。
ガンダムファンには強く伝わると思うが、先日放送された「大西洋、血に染めて」は
全40話以上あるエピソードの中でも涙なしでは観ることができない屈指の名作。
一般人が戦争に巻き込まれる悲惨さがよく描かれていたと同時に、ガンダムでは珍しい
ラブロマンスが悲しく輝いている。
ガンダムファンの中でもこの1話がもっとも好きだという人間は多いだろう。