水曜日のダウンタウン | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

はっきりいつだったかはおぼえていないが、格安バスツアーにはじめて

いったとき、コース上にやたらと土産屋があって必要以上に何軒も

寄る意味がわからなかった。

名所とかどんどんゆけばいいのに、なんでそんな何回も土産屋ばかり

バスが立ち寄るのかと。土産屋など多くても色の異なる店2軒ほどゆけば十分なのにと。

 

恥ずかしながら、あとになってそのからくりを理解した。

 

たくさんの観光客を確実に招いて買い物させるために、店側が観光会社の

ほうにお金を払って、コース内に自分の店を組み込ませており、その店に

必然的に立ち寄らなければいけないという条件のもとで、ツアー客側は

比較的低料金でバス旅行ができるのである。

 

安くバス乗らせてもらって旅行できるのだから、そのくらいはしょうがないかな

とは思いつつ、土産屋だけで露骨に1日に3、4件もインサートが入るようなコースは

さすがに旅中にイラっとくるのも事実である。

 

経済の流れ上、まず不可能なことで、かつ贅沢な願望だというのはわかっているが

アノ格安ツアー代金で、土産屋立ち寄りはナシ、あるいは旅の本当に最後に一軒

だけというツアーがあればそれだけサッパリ気持ちイイツアーになるだろうと

考えたりする。

 

オレの好きな番組、というより今放送されている中では一番好きな番組といっても

過言ではないバラエティ「水曜日のダウンタウン」はそんな番組だ。

 

民放だから最低限CMはしょうがないとして、他のバラエティ番組では必ずある

ような、

・ゲストによる番宣およびそのテロップ。

・ゲストが出演している新作封切り映画告知

・ゲストアイドルの写真集発売告知

・ジャ○ーズが売りだそうとしている若手グループのメンバー枠

 

などなどその他宣伝の類の余計なくだりが一切ないのである。

番組中に流れるのは告知や番宣なしの企画VTRのみ。

人気番組なので観ている人は多いと思うが、これに気づいている人はどれくらい

いるだろうか!?

あれだけの人気番組で、この構成はけっこうすごいことである。

 

 

毎回ゲストは数人いるが、そのチョイスも不思議。

とくに旬だとかいうゲストでもなれれば、時の人というゲストでもない。

もちろん、最近新しくドラマや映画にでるためそのための番宣ゲストでもない。

ジャニタレもほとんどといっていいほどでてこないのでテレビ番組としての

喉ごしもとてもいい。

 

スタジオにいるゲストはほとんどコメントをつかわれないし、

もっといってしまえば、あの番組、ゲスト必要か??とも思えるが、そこはまあ

空気を盛り上げるために必要かもしれない。

 

ここから感じることがふたつ。

ひとつはスタッフによるお笑いへの徹底したこだわりとプライド。

 

旬のタレントやジャニタレで視聴率を持ってこようなんて思わず、純粋に企画で

評判をかっさらおうという意気込み。

 

もうひとつ感じるのはさっきも書いたような謎のチョイスのゲスト。

あれだけ面白い番組である。

もしかしたら、製作側からタレントにゲスト出演オファーを出しているケースだけ

でなく、タレント側からギャラ安くてもいいから番組にだしてほしいという要望が

あるのかもしれない。

 

「水曜日のダウンタウン」は今の時代、珍しく‘攻めて’いるバラエティである。

ナダルにたいする人さらい警察通報騒動、

販売店の間違った情報騒動、

クロちゃん動物園監禁で深夜ギャラリー殺到騒動などなど数々の問題をおこしてきた

にもかからわず、スポンサーがまったく離れないどころか逆に企業がスポンサーに

なりたがる現象。

 

オレもそんなときにはコンプラぎりぎりで、ときにはちゃんとした実験企画的で

勉強になることをやってくれる「水曜日のダウンタウン」が好きだ。

 

企画によってはつまらないものはつまらない。

興味あるなしが二分する企画も多い。

当たりはずれも多い企画番組なのだ。

 

ただ、それについてもごまかさず、松本人志がはっきりと

「あれはつまらなかったよね」

などといい、それを編集せずにつかうようなところもサッパリしてて気持ちいいものがある。

 

昨日の放送は特別篇だから個人的には面白くなかったけれど、それでも今までの

放送を思いだすと、水曜日のダウンタウンらしいというか生々しい企画やオチが多い。

 

とても気になったのは

「生放送のロケ中、ヤバめの素人が乱入してきても腕のいい芸人ならうまくさばける」

とかいうような説。

 

ここでいう‘ヤバめ’というのはヤクザとかヤンキーではなく、いわゆるちょっとイッちゃっている系

のおじさん。

 

ここでこのイッちゃってるおじさんを演じた役者さんがとても演技うまくて、本当にヤバい人感

満載で笑うというのを越えて感心してしまった。

本当にこういうオッサン、街中にいるので。

 

で、番組を観ていた読者さんならばわかると思うけれど、生放送で現場リポート(という設定)

をしている板東英二のところに、このヤバいオッサンがフレームインしてくるのだ。

 

カメラがまわっている間はなんとかつくり笑いでかわす板東英二だが、デイレクターが

「はい、OKです!」といってカメラが止まったという設定の直後、板東英二が殺意に満ちた

表情に一変し、からんできたヤバいオッサンのほうに歩いてゆき、ここでオンエアのVTRは

止まる(爆)

 

オンエアでは映像は止まったが、スタジオでは引き続き流れてたようで

ゲストがそれを見ながら「え、これ流していいの??」と戸惑いながらいう。

それについてMCのダウンタウン浜田が、「まあ、とりあえずスタジオの中では」といい、

プレゼンターの陣内智則が「今、コンプラ協議中なんですよ」とフォロー。

 

おそらく、カメラが止まったとたん、自分の中継を邪魔してきたオッサンにたいし

板東英二が詰めよって、つかみかかったり、ちょっとした暴力を振るったあたりまで

いったんだろうけど、結局コンプラにひっかかりスタジオVTRではすべて流れたようだが

オンエアではほぼカットというまさに攻めたVTRだった。

あのときスタジオで流れていたVTR、ちょっと金払ってもいいので是非観たいものである。

 

こういう番組ばかりだと問題かもしれないけれど、今のバラエティって本当に守りに

入っていたり、人気者をゲストに呼んで数字をとろうとしたり、他の番組がやっている

ことをマネしたりとかばかりだから、そういう意味でも「水曜日のダウンタウン」は

バラエティ番組の寵児的な存在だといえる。

 

今の若い人はネットおよびyoutubeがメインなのでテレビ離れしているとかいう話を

よく聞く。

 

本当にそうななのだろうか。

 

ちょっと前に同級生と

「ユーチューバ―がどうのこうのとかって騒いでいるけれど、わざわざパソコンで観たい

ような動画ってないよね」

というような会話をした。

 

オレらがもう古い世代なのかもしれないけれど、なんかユーチューバーのトピックとか

聞いても、「○○をしてみた!」的なものばっかりであまり食指が動かないのである。

 

ネットサーフィンしている途中で、たまたま引っかかったから観たという程度なら

まだあるかもしれないが、俗にいうチャンネル登録とかしてまで気になったり観たいと

思うような動画ってないし、オレの周囲でも今のところ、「○○の動画が面白い!」とか

いう話は聞かない。

本当にテレビはyoutubeに押されているのか?

 

明石家さんまだっただろうか?

「youtubeはテレビの敵だ」

とかいう発言をしていた。

 

なんでもかんでも右左や敵味方に振り分けるのは好きではないが、明石家さんまの

いいたいこともいくらか理解できる。

 

オレはドリフ世代の古い人間なので、お笑いにかんしてはまだまだネットよりも

テレビを支援するし、テレビに奮闘してもらいたいと思っているが、ユーチューバーが

自分の動画を撮ることに熱心なことにたいして、youtubeのライバルであるテレビが

バラエティ番組のゲストに人気があるといわれているユーチューバ―を呼んで数字や

話題を集めているのをみると、ああ、たしかにテレビはyoutubeに押されているのかも

なあと感じないでもない。

 

オレの記憶の限りだと、「水曜日のダウンタウン」はスタジオゲストにユーチューバ―

も呼んだことはないと思う。

逆に検証企画の中でユーチューバ―をディスるのはあった。

 

「水曜日のダウンタウン」、これからもいくつか問題をおこしそうだが、それらも

番組のアイコンのひとつとしてとらえ、これからも続いてほしい反骨精神のある

バラエティである。

 

youtube……

たまに懐かし映像とか歌とか聴くにはいいけれど、この人の撮った動画が観たい

とかってまったくないな。